金曜集会
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「寝たフリする気持も分かるけど、私の分もね」
今度は京だった。
だがそれすらも百代は無視しおいてあったポップコーンの包みを開けた。
と思ったが、百代は京をお姫様抱っこし告げた。
「なーんてなしっかり金は持ってきているさ!」
……つーかお前は弟分にも金借りてるってどうなのよ。まさか一子にも借りてるわけじゃないわよ。ねもしそうだとしたら姉として頭が痛いわ。
千李はそんなことを考えながら大和たちを見ていると周囲に張り巡らしている気の結界に二人の人間が侵入したのを感じた。
「そこのじゃれあってる馬鹿共。一子とモロが来たわよ」
千李が言うと百代も既に気づいていたのか答えた。
「そうだな。いま二階の階段あたりだろう姉さん」
「ええそうね。つーかお前がそれやってるんだからわたしやる意味なかったわね」
言ったところで一子が元気よくドアを開けた。
「到着ー!飲み物買って来たよー」
一子が言うと控えていたクッキーが飲み物を預かり腹の辺りに入れた。
クッキーには冷蔵機能もあるのだ。さすが世界の九鬼財閥。
モロは既に自分の席に着いていたが岳人が何をしていたのかを聞くと機会語りが始まっていた。
一方一子はと言うと千李のひざの上に座りフニャッとしている。
千李はそんな一子を後ろから抱きしめている。
「ところで一子?肩は大丈夫?」
「うん!もうこのとおり」
千李の問いに一子は肩を振り大丈夫だと言うことを体でアピールした。
「そう。ならよかった」
言うと千李は一子の頭のを撫で回した。
一子もそれが気持いいのか目がとろんとしている。
一子を可愛がりながら千李が大和たちの方を見ると機会語りをしていたモロのほかに今度は大和がヤドカリガタリをはじめていた。
「おーいガクト。二人に増えてしまっただろうが。早くとめろつーか姉さんもワン子可愛がってないで手伝ってくれよ〜」
「今は一子を愛でる時間だからそれは無理〜」
百代の応援要請に対して千李は一子を抱きしめ一子の頭にあごを乗せた状態で答えた。
結局暴走気味の大和は京が引き受けることとなった。
「だけどよ。京に大和任せたら大和の貞操が心配だぜ」
「既に大和貞操なかったりしてな」
そんな会話をまだ純粋無垢な一子に聞かせないため千李は一子の耳を塞いだ。
「千姉様?何の話なのー?」
さすがに疑問を感じたのか一子が千李を見上げてきた。
それを千李は優しく見つめるとこれまた優しく告げた。
「一子はまだ知らなくてもいい話よ。時が来れば自然に分かるから今は無理に分かろうとしなくていいわ」
「うん。わかったー」
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