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第五十八話 常識と非常識
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ンスターがいるから」

三人が言葉を交わしながら石造りの橋を渡っていると、三人の頭上を二つの光が高速で通過した。特徴的な輝きと効果音を持ったそれは、魔法の起動弾とみて間違いなかった。だが、照準がソレイユたちから外れており、リーファはサラマンダーの悪あがきととったが、ソレイユはサラマンダーの狙いに気が付いた。

「あー、面倒なことになったなー」

のんびりと言うソレイユ。いまさら声を張り上げたところで手遅れである。頭上を通過していった起動弾はルグルーを囲う城壁の前で着弾して巨大な岩壁を作ってしまった。そのため、行く手が完全にはばまれてしまった。

「あ・・・キリト君!」

リーファの静止を聞かずに岩壁に向かって勢いよくダッシュしていくキリト。剣を抜き思い切り岩壁に打ち込むが、衝撃音と共に弾き返されてしまう。岩肌には傷一つついていない。

「無駄だ、ボケ。魔法に対抗できるのは魔法のみってのがこの世界の常識だからな」

「もっと早く言ってくれ・・・」

恨めしそうに言うキリトだが、ソレイユは自業自得だ、という一言できり伏せた。

「キミがせっかちすぎるんだよ。ソレイユ君の言うとおりだよ。これは土魔法の障壁だから物理攻撃じゃ破れないわ。攻撃魔法をいっぱい打ち込めば破壊できるけど・・・」

「その余裕があれば、やってもいいんだけどねー」

ふり向いて見ると、橋のたもとに差し掛かる紅い集団が見えた。

「飛んで回り込む・・・のは無理なのか。湖に飛び込むのはアリ?」

「ナシ。ここの湖には超高レベルの水龍型モンスターが棲んでるらしいわ。ウンディーネの援護なしに水中戦するのは自殺行為よ」

「ふぅーん・・・」

リーファの言葉にソレイユは少し考え込む。そこに、ソレイユのもとにキリトのポケットに入っていたユイが飛んできた。

「どうしたんですか、にぃに?」

「ふむ・・・なぁ、ユイ。人はチャレンジャーであるべきだと思うんだ」

「え、えっと、どうしたんですか、いきなり・・・?」

いきなりすぎてソレイユの言いたいことがわからないユイは困惑している。

「まぁ、ようはあれだ・・・難題なほど燃えるだろう、ということだ。不死鳥クエストしかりジェネシアス然り、な」

「は、はぁ・・・」

「という訳でおれは行ってくる」

「え、えっと、い、行ってらっしゃいです・・・って、え・・・ちょ・・・に、にぃに!?」

そして、ソレイユは橋の縁を飛び越えて湖へと飛び込んで行った。派手な音と水飛沫があたり一帯に響く中、突然のソレイユの奇行にユイは理解が追い付かない。そんなユイにキリトとリーファが近寄ってきた。

「ユイ、何かあったのか?それにソレイユはどこ行ったんだ?」

「えっと・・・にぃにな
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