第29話 紳士と侍
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ワイアットは歓喜した。
緑茶が有った。という事はこの状況で紅茶が作れる事を知った。これで喜ばない紳士は居ないし、居たとしたらそれは似非紳士である。
そんな事とは露知らず、ジャンヌとコルベールはワイアットの喜びかたを見て、この緑の液体は何はなぜここまでワイアットを喜ばせたかを考えていた。
ジャンヌは、この緑の液体はトリステインに莫大な富かそれとも利益をもたらしてくれるに違いないと考え、コルベールはと言うとこの緑の液体は、多分薬効があり精神を高ぶらせる効果があるに違いないと考えていた。二人の考えは、あながち間違いではなく砂糖の量産計画が実を結び価格低下が出来れば、ジャンヌの考え通りにトリステインの生産に寄与し、トリステインに莫大な利益をもたらしてくれる。更には、各国も其を黙っては見ていないだろうから、茶を輸入するだろう。一度輸入さえしてもらえれば茶の、カフェインの中毒性で輸入するしかなくなるので、茶だけでも莫大な富を産み出す事が出来るのだ。コルベールの考えも間違いではなく前述のカフェインは、興奮作用詰まりは覚醒効果があるため薬効うんぬんもあっていると言える。
二人の考えも知らずワイアットは興奮していた。
私の計画では、まだ待つ筈だった茶が手に入るとは、全く世の中は分からぬものだ。ふむ、あの中にあるというものも信用してよいやも知れんな、このまま事が上手く進めば計画は三年早まる。
そして、結構な時間が流れワイアット以外の二人は苛ついていた。
ワイアットは、持参したとはいってもさっき市場で買ったタルブ産ワインを呑んでいた。
扉が開いた。そこには、待っていた存在がいた。
彼、佐々木はこう考えていた。
時間を掛けて相手を焦らす普段は待たされる事がない貴族は、苛つきその分交渉はこちらの有利に進む筈だと、しかし、現実はワイアットに何も動揺を与えていなかった。そもそも、ワイアットは強い地盤が連邦の中である訳でもなく政治の空白や政戦の合間、軍閥争いや勢力拡大等の魔の巣窟状態の連邦から、大将まで成り上がった存在なのだしかも、今世は王族や為政者として交渉事についている。たかだか、三十年位の交渉術でワイアットに勝てる訳がないのだ。ワイアットの今世の年齢がたかだか、18余りでも過去の、前世の連邦軍大将とその他軍勢の大将等の記憶や経験がワイアットにある限りは…。
佐々木は、入ってきて驚愕するワイアットはまるで自宅の様に振る舞いワインを飲み更には、連れていた女を撫でていたからだ。彼は怒りを感じたが、表面上は出さずにワイアットに向かい人の良さそうな笑みを浮かべて
「お待たせいたしましたな。すみません、何分最近客が増えましたから。」
ワイアットはそれに対して、
「何、気にしていないよ。始めましてかな私はこの国トリステイン国
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