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蒼き夢の果てに
第5章 契約
第66話 おまえの名前は?
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リア両用艦隊所属の船乗りたちに飛空艇や水上機の知識を与えたのがダンダリオン。そして、その操縦方法や、整備方法を教えたのがハゲンチ。物資を調達して来たのがハルファスだからなのでしょう。

 つまり、ここ、ブレストの新生ガリア両用艦隊に現在、所属している二式大艇四十機と、強風。こちらも、第二次世界大戦中の日本の水上戦闘機と言う奇妙な機体で、これを八十機用意したのも、その運用から、整備方法まですべて教えたのも俺の式神たちですから、彼らの御蔭で、俺に対しても敬意を払った態度で接してくれている、と言う訳なのでしょうね。



 それで、艦隊再建の為、急遽、船を調達するのに、風石に因って宙を舞う事が出来る木造船の調達……。これは、流石のハルファスでも出来る訳はなく、
 そして、蒼穹が飛べて、水上でも活動が出来る。更に量産された物で、戦闘に使用出来る物。……と言う、面倒な括りの中から俺が選んだのが、二式大艇と、強風の組み合わせだったと言う事です。
 対艦の攻撃には魚雷ならぬ、空対空ロケット弾を使用すれば問題はないと思いますし。
 確かに、真っ直ぐ飛ぶだけの第二次大戦中に使用されたロケット弾ですが、風任せで飛ぶ帆船に命中させるのは難しく有りませんからね。

 現在、この基地に有るロケット弾には全て、『木行を以て土行を剋せ、割れよ』の仙術が封じられていて、このロケット弾の攻撃を受けた場合、固定化や、強化は無効化されて、後に残るのは脆弱な木製の帆船が残るだけですから……。

 但し、俺から見ると第二次大戦中の骨董品とは言え、未だ中世ヨーロッパの技術力しか持たないガリアですから、当然のように、この両機を運用出来る基礎的な工業力は存在して居ません。これは所謂、緊急避難的な解決方法。固定化や強化が有るから、経年劣化のような状態には陥らないでしょうけど、戦闘や訓練などで消耗した分は、俺やハルファスが居なければ部品さえ手に入れる事は出来ませんから、補充する事は出来ないはずです。
 この一時しのぎで集めた機体で当座をやりくりして、ガリアは次の船乗りの養成や、新たらしい(ふね)を建造して行くように成ると思いますね。

 もっとも、王立のアカデミー(魔法研究所)。日々、魔法を研究している組織の連中に三機の強風と、一機の二式大艇。そして、第二次大戦中のドイツ製のR4Mロケット弾を三十発ほど提供しましたから、ガリアにも何年か後には、ある程度の技術力が出来上がっている可能性が有るとは思いますが。
 多分、この中世レベルの世界ならば、科学と錬金術はほぼ同義語。魔将ハゲンチの職能を使用せずともコルベール先生に零戦が整備出来るのですから、基礎的な技術をハゲンチやダンダリオンに教わった研究者の中から、コルベール先生の代わりが出来る人間が現れない訳は有りません。
 そ
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