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『もしも門が1941年の大日本帝国に開いたら……』
第二十九話
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今村司令官はそう言った。
「ところで、先に現地へ先行隊を向かわせたいのだが……あの部隊でいいだろう?」
「……伊丹大尉の第三偵察隊ですか?」
「そうだ。今、派遣軍の中で現地人と仲が良いのは伊丹大尉だからな」
「分かりました、そう伝えておきます」
「それと糧食は五人分増やしてくれ」
「……司令官、まさかとは思いますがあの五人を……」
「うむ、第三偵察隊に特別に組み込ませる。本人達からの願いでな」
「宜しいのですか?」
「現地の判断だ」
今村司令官はそう言ったが、実際に五人の願いではなくロゥリィの脅しであった。
「私達ぉ、仲間外れにするつもりぃ?」
流石の今村も断ろうとしたが、ハルバートに突きつけられては首を縦に振るしか出来なかった。
「(八百万の神々までには匹敵するかは分からないが、神であるからな。天罰など受けたくない)」
そう思う今村司令官であった。
「第三偵察隊は準備が出来次第、直ちに出発せよ」
「分かりました」
柳田は今村に敬礼をして退出をした。
「伊丹大尉以下、第三偵察隊は案内人と共に出発し炎龍討伐隊の先行偵察をせよ」
「命令ですか?」
「命令だ」
「……分かりました。直ちに出発準備をします。明朝0530に出発します」
「今村司令官にはそう伝えておく」
柳田はそう言って部屋を出た。部屋には伊丹と樹がいる。
「第三偵察隊の中にはロゥリィやヒルダ達もいますな」
「……一枚噛んでたかもな。摂津、悪いけど準備頼む」
「了解です大尉」
樹は伊丹に敬礼をして退出して水野達を召集する。
「炎龍討伐の先行隊ですか……」
「あぁ、恐らく炎龍と戦闘するかもしれない。二人とも、今のうちに遺書を認めた方がいい」
「………」
「どうした水野?」
水野の表情は浮かなかった。
「いえ、何でもありません。中尉、自転車を借りてもいいですか?」
「構わんよ。では解散」
三人はその場で解散し、水野は自転車を借りてアルヌス共同生活組合の仮設住宅へ向かった。
「こんにちわ」
「あら、ミズノさん。いらっしゃい」
とある一軒の仮設住宅のドアをノックして(ノックした方がいいと伊丹から説明された)、中からあの時に保護したエルザさんが出てきた。
「……お話があります」
「……分かりました。どうぞ中へ」
真剣な表情をした水野にエルザは水野を中へ招いた。
「それで話とは……」
コップに入った水を水野に差し出す。【BGM:防人の詩】
「……自分は炎龍討伐隊の先行偵察隊への配属となりました」
「ッ!?」
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