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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
最終話:解散、機動6課
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思っててん」

「で、JS事件でその手法が有効であることを示せたはやてとしては
 万々歳ってわけか」
 
「そやね。まあ、結果として地上本部の上層部がJS事件で一掃されたおかげで
 本来の目的が果たしやすくなってんけどね」

はやてはそう言うと、舌を出して悪戯っぽい笑顔を俺に向けてくる。
だがその笑顔もすぐになりをひそめる。

「とはいえ6課にも問題があったし、そのへんの解決策を考えていかなあかん
 と思ってんねんけどな」

「問題って?」

「現場に権限を与えても、それを擁護する権威がないとあかんっちゅうのは
 嫌ってほど感じたね。JS事件の捜査でも地上本部からの横やりを
 散々受けたんはゲオルグくんも覚えてるやろ」

「そうだな・・・」

俺ははやての言葉に頷きながら、クロノさんの言葉を思い出していた。

(なるほど・・・。はやてからの提案を受けて6課の問題点を修正した上での
 新部隊構想ってことか・・・。でもな・・・)

「はやてはそれでいいのか?」

そう声をかけると、はやては首を傾げて俺の方を見る。

「いいのか?って、何が?」

「はやては捜査部に戻るんだろ? 6課の構想を受けた新部隊が設立されたら
 自分で率いたいんじゃないのか?」

「そんなん全然ええねんって。 私より現場での戦闘指揮に優れた指揮官は
 いっぱいおるやろうし、そういう人の方が向いてると思うんよ」

「そうか? 6課だって、はやてがトップできっちり他部隊との調整なんかを
 こなしてくれたからこそ、うまく回ってたと思うんだけどな」

「ありがとう。 でも、もし私の構想をもとに新しい部隊ができるんやったら
 そういう調整なんかから部隊長を解放してあげるべきやと思うわ。
 これは、私の経験から言うんやけどね」

「それができりゃいいだろうけどなぁ・・・」

「上にも、それくらいはやってもらわんと。ただでさえ下は
 苦労させられてきてんねんから」

「ごもっとも。 っと、もうこんな時間か。そろそろ部屋に帰るよ」

「そやね。私も戻るわ」

俺とはやては揃って柵から身を離す。

「じゃあな。 一緒に仕事ができて楽しかったよ」

「私もや。 また、機会があったら一緒に働こ」

「おう。じゃあ、おやすみ。明日は最後の挨拶を頼むよ」

「任しとき! ほんならね」

はやてはそう言って手を振ると、先に屋上から降りて行った。
はやての背中を見送り、海の方を振り返ると空には2つの月が浮かんでいた。
俺はそのぼんやりとした明かりに照らされた景色を目に焼き付けると
はやての降りて行った階段に向かって歩き出した。





次の日。
2カ月ほど前に完工式が行
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