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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
最終話:解散、機動6課
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織として自分が所属してることを誇りに思えるか?とか」

「・・・難しいことを聞くなよ」

「そうやね、ゴメン。でも、ミッドで生まれてずっと管理局っていう組織と
 身近に接してきたゲオルグくんが、どない思ってるか聞きたいねん」
 
「そうだな・・・。別に自分が所属してることに対しては何の感慨もないよ。
 ただ、職業としてそれを選んで、給料がもらえるからここにいる。
 それだけだな。強いて言うなら、普通の企業に就職するよりは給料がいい」

そこまで言うと、はやてはわずかに目を見開いて、俺の顔を見つめていた。

「どうした?」

俺が尋ねるとはやては急に我に返ったかのように目を瞬かせる。

「ん、ゴメン。ちょっと意外やったから」

「そうか?」

「うん。ゲオルグくんって、なんか強い使命感があって管理局に居るっていう
 イメージが私ん中にあったから」

「使命感・・・ね。そんなもんないよ。あるのは利己的な目的だけさ」

「利己的な目的って?」

「最初は姉ちゃんがなぜ死ななきゃならなかったのかを追うのに
 都合がよかったから。今は俺自身と家族を守るため、ってとこかな」

「そっか・・・」

俺の答えを聞き終わると、はやては微笑を浮かべていた。

「私はええと思うよ、それで」

「そりゃどうも。 で? はやては何を試したかったんだよ」

「そやね。その話が途中やったね」

はやてはそこで言葉を止めると、目を細めて夜空を仰ぎみる。
その横顔からはさっきまで浮かんでいた笑みはすっかり消えていた。

「捜査部におってずっと感じてたことなんやけど、管理局って個々の事件への
 対応が遅いと思うんよ。そのせいで犯人不明のまま捜査が打ち切られた事件は
 数え切れへんほどあるし。ゲオルグくんも覚えがあるんちゃう?」

「確かに。でもそれはある意味仕方ないんじゃないのか?
 組織ってのは大きくなればなるほど動きが鈍くなるってもんだ。
 管理局ほど巨大な組織になれば情報が行きわたるにもそれなりに
 時間がかかるだろ」

「そういう理屈の部分は判ってんねんて。
 そやけど、私らの仕事が犯罪捜査である以上、理屈だけでは
 事が済まへんやん。被害者感情を考えたら一刻も早い事件の解決を
 目指すんが当然やろ」
 
「ま、そりゃあね。
 でも、物事に時間がかかるのは現場の責任じゃねえだろ。
 組織の在り方を根底から変えなきゃダメだって」

「うん。そやから、末端部隊にある程度独立した捜査と作戦の権限を与えて
 犯罪捜査のスピードアップを狙った組織のモデルケースとして作ったんが
 機動6課なんよ。で、うまく結果を出せれば上層部に組織体系の変更を
 提案していきたいなって
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