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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第111話:制圧作戦
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ンドサインを送ってきた。
俺はそれに頷くと、横穴を一旦通り過ぎてから洞窟を横断して
シンクレアとは反対側の横穴の際に取りつく。
シンクレアの方に目を向けると、シンクレアも俺の方を見ていた。
お互いに頷き合うと、2人で横穴の中をそっと覗く。

横穴の中は半球形をした広い空間になっており、その中で10人ほどの
男たちが横になって眠っていた。
中央には明かりが置かれていて、そのそばにある椅子の上で一人の男が
うつらうつらしている。

(なんだ? 武器の置き場といい、ずいぶんユルイ連中だな・・・)

そんなことを考えながら広場の中をグルリと見回していくと、
先ほど別の横穴で見たのと同じ木箱が隅に置いてあるのを見つけた。

(さすがに、武器は手元に置いてんのか・・・)

他には特に何も見当たらなかったので、シンクレアの方に目を向けると
シンクレアも俺の方を見ていた。
俺がシンクレアに向けて手招きすると、シンクレアは横穴の中の様子を
慎重に探ってから俺の方にゆっくりと歩いてきた。

「なんですか?」

「奥の方を見てくるから、ここで見張りを頼む」

「大丈夫ですか? 俺も行った方がいいんじゃないですか?」

「ま、大丈夫だろ。 お前も見たろ? 連中は基本的にユルいからな」

「それはそうですけど、慎重に行って行き過ぎってことはないでしょ」

「だからお前に残れって言ってんだよ。 2人して洞窟のどん詰まりで
 敵に襲われたら怪我じゃ済まないぞ」

「・・・それもそうですね。 わかりました、お気をつけて」

シンクレアは納得したように頷いてそう言った。
俺はシンクレアの肩をポンと叩くと、洞窟の奥へと向かった。
洞窟は奥に進むと、緩く右にカーブしていく。
さらに進んでいくと、右にカーブした洞窟の奥から明かりが漏れている。
少しスピードを落として慎重に進んでいくと、またも横穴が出現した。
明かりは横穴の中から差している。
俺は横穴の際に立ち、中を覗き込んだ。
そこには、10人ほどの男たちが横になって眠っていた。

(あれ? さっきと同じ穴か・・・?)

よく見ると、眠っている男たちの配置が、さっきと異なっている。
どうやら、先ほど見た広い空間の別の場所にある穴のようだ。

(まだ奥があるな・・・。行くか)

俺は横穴を離れて、さらに洞窟を奥へと進む。
5分ほど進むと、洞窟の先に先ほどまでとは違う色の光が見えた。
さらに進むと、足元の地面がむき出しの岩からぬかるんだ土に変わった。
足元に意識を集中していた俺は、その場で立ち止まり目線を上に上げた。
そこには、きれいに晴れ渡った星空とその中に浮かぶ2つの月があった。

(外につながってんのか・・・厄介だな)


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