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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第111話:制圧作戦
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ところに来るように合図を送り、
横穴の奥をそっと覗く。

「どうしました・・・って、横穴ですね」

「ああ、奥を見てくるからシンクレアはここで見張っててくれ」

「了解です。気をつけて」

俺はシンクレアに向かって小さく頷くと、横穴の奥へと進んで行った。
横穴は奥に行けば行くほど高さも幅も狭くなっていく。
やがて、天井が俺の頭にかすりそうな高さまで低くなってきたころ、
穴は突き当たりになっているように見えた。

(なんもないな・・・)

そう思って引き返そうと踵を返した時、視界の端に穴らしきものが目に入った。

(ん? この横穴・・・奥で折れてんのか・・・)

俺はさらに奥まで進み、曲がり角を曲がる。
そこは少し広い行き止まりの空間だった。
その空間の中をグルッと見回すと、隅のほうに高さが俺の腰ほどもある
大きな木箱が置かれていた。

(あれは・・・)

木箱に近づいてみると蓋らしき板がわずかにずれていた。
そこから中を覗いた俺は思わず絶句した。

(マジかよ・・・)

箱の中には、今回の対象となっているテログループが起こした
爆破事件で使われたのと同じ高性能爆薬が、山と積まれていた。
それは、全部使えば地上本部のビルを丸ごと爆破できるほどの量だった。
俺は木箱から後ずさるように距離をとる。
もう一度その空間の中を見回すと、先ほどのものより2回りほど小さい
木箱が置かれているのを見つけた。
その箱に近づき中を覗き込むと、10丁を超えるサブマシンガンが無造作に
置かれていた。

(これは・・・使われるとマズイな・・・)

そうは思うのだが、持ち出そうにも2人で持ち出すには重すぎる。
結局俺は、銃をそのままにして横穴を戻ることにした。
シンクレアが待つ横穴の分かれ道まで戻ると、シンクレアが顔を寄せてくる。

「どうでした? 何かありました?」

「高性能爆薬がたっぷり、銃が10くらい」

「マジですか? どうします? 回収しますか?」

「いや、2人で回収するには多すぎる。 位置だけ記録して、
 部隊が突入するときに押さえられるようにする」

「了解です。 じゃあ、奥に行きますか?」

「そうだな」

そう言ってシンクレアに向かって頷くと、俺達は再び洞窟の両脇に分かれ
明かりが見える洞窟の奥へと向かう。
奥へ進んでいくと、だんだん明かりが大きく明るくなってくる。
暗視スコープの明るさを調整しながら近づいて行くと、
明かりの元が徐々にはっきりと見えるようになってきた。
それは、先ほどのものより1回り大きく、シンクレアが進む側の内壁に
あいた横穴から漏れていた。

シンクレアは横穴のきわに取りつくと、俺に横穴の反対側に回るよう

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