十七話≪真≫
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とそちらを向く
「端子なら既に飛ばしました。岩陰などを注意しながら、都市へ向けて探索中です」
される質問を予想でもしていたのか、錬金鋼を展開していたエリスが答える
既にその周囲に端子はない。言う通りならば、見つけたという都市の方へと飛ばしている最中なのだろう
「流石。察しが早い」
「長い付き合いですからね。皆、シンの言いそうなこと位見当が付いています」
「それは助かる」
その返答にククク、といった風にシンラが笑う
「で、どの位で終わる」
「十分な距離の周囲の安全確認だけなら、二時間ほどで」
「到着時間は?」
「やっぱりか……お前馬鹿だよな。このままなら大体三、四時間だな」
「褒め言葉として受け取っておくよ」
言い、シンラが立ち上がる
「時間もちょうどいい。進路はこのまま向かう。エリスは何かあれば直ぐに報告してくれ。フェルミは他を呼んでほしい」
「あの……」
「ん、何だい?」
シンラが指示をだし、それを受けて三人がそれぞれ動く
それを見て、今一どういう状態なのか分からないレイフォンは尋ねる
「向かってどうするつもりなんですか? 都市が見えたって言ってますけど」
「簡単なことだよ。知的興味を満たすための、観光だ」
「シンラ!」
名前を呼ばれ、シンラがそちらを向く
向かってきたのは旅団の一人、ジン・シルドック。特に特徴味もない普通な容貌をした男だ
彼は手に一枚の紙を持ち、シンラに近寄る
「ジンか。どうしたんだい」
「データを漁ったかいが有った。旗から都市の名前が判明したぞ」
「へえ……で、どこだったんだい?」
「ああ、あの都市は???」
シンラが続きを促す
それを受け、ジンは紙をシンラに渡しながら言った
「?????舞楽都市ベリツェンだ」
数時間後の丁度昼頃、バスは都市のすぐ近くまでたどり着いていた
バスの中の一室にて、端子が移した都市の映像を中心に旅団の人員が集まり話し合っていた
「探査の結果、このバスを中心に周囲二十五キロメルに汚染獣の姿はありません。軽く調べましたが、都市のこちら半分においても怪しい姿は特にありません。現在、都市南外縁部の精密探索に移っています」
「ご苦労、そのまま続けてくれ。質問があれば随時言って欲しい。さて、既に知っていると思うが今向かっている都市はベリツェン。恐らくだが、汚染獣によって壊滅したと考えられる。この都市に入りたいと思っている」
「質問。行って何をするつもりだ?」
周囲で聞いていた一人、カトラス・ウィードが質問する
ざっくらばんに切った髪に、年相応な精悍さを携え、どことなく静かそうな印象を持っている男性だ
「探索だよ。それと
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