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鋼殻のレギオス IFの物語
十七話≪真≫
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、守り手たちが減っていく中、都市はいたる所が黒く染まって行った
 彼女が敵を憎み嘆きを叫ぶ中、汚染獣襲来の次の日、その都市は滅んだ


 只ひっそりと、遠くを走る放浪バスにいた少年少女が見る中、世界の片隅で一つの都市が滅んで行った















「フッ……これで終わりだ」

 その声と同時にシンラの手が切り札を晒す
 それは最強の剣。今の今まで秘されていたそれは、この瞬間になってレイフォンに牙をむく

「????ッ!」

 その力にレイフォンは成す術がない
 抗うための力はすでに手中に無い。まさか今振るわれるなど想像だにしなかった
 見えていた勝ちの未来は今この時点で潰えた
 レイフォンはただ、敗北の言葉を告げるしかない

「????パス、です」
「なら、続けて2。上がりだ」

 道化の次に出されたのは最強の数字
 たった一枚、1の手中を見ながらこの瞬間レイフォンの大貧民が決定した


「後一枚だったのに……」
「ははは。これで五連続大貧民だねレイフォン」
「……あなたが粘着するからでしょう。それに、2上がりは禁止ですよ」

 談話室にて大富豪をしていた五人の一人、エリスがトランプを混ぜながら言う

「それはローカルルールだろう? 前もって決めてない以上問題はない」
「スピードの恨みか……大人気ない」

 アルウェイがトランプをカッターしながら言うが、シンラはどこ吹く風だ

 元々は何の気なしにシンラがレイフォンにスピードをやろうと持ちかけたのが始まりだ
 ルールを知らなかったレイフォンにルールを教え、おぼつかない手取りながらも始めたのが数十分前
 結果はレイフォンの圧勝。何せ身体能力が違う
 シンラがカードを掴み、山に置く寸前にレイフォンがやっと動いたとしても楽勝で間に合うのだ
 レイフォンの連勝数が七に届く頃、シンラは仲間を集め今度は大富豪をやろうと宣言
 結果、レイフォンの圧敗
 時には自分が貧民になってまで粘着するシンラに、レイフォンは大貧民から一度として脱出できなくなった
 他の三人からしても思う所はあるが、罰としてシンラの料理の味見係が懸っているので助けるつもりはない
 なんだかんだで全員、色々と外道なのだ


「シンラ、ちょっといいか」
「何だい?」

 カードの交換が終わり、大富豪のエリスが最初から6789四枚の階段を出したところで声がかかる

「遠くにレギオスが見えるんだが、どうも変だ」
「変、とは?」
(あ、これなら出せる)

 流され、次にエリスが出した4にレイフォンは6を出す

「動いていない。確認した所、膝を地に着け動く気配がない」
「ふむ……近くにセルニウムの山は確認でき
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