第二幕その十五
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第二幕その十五
そしてだ。僧侶にある部屋に連れて来られたパパゲーノは一人でどうしていいかわからなくなってきていた。パパゲーナがいなくなってだ。
「折角一緒になれると思っていたのに何なんだ?」
こうぼやきながらうろうろとしている。
「パパゲーナが消えておいらは不幸の中」
己のことをしきりに嘆くのだった。
「お喋りはしたさ。けれどあの娘がいないと」
やはりパパゲーナのことを話す。
「どうすればいいってんだ。せっかく見つけたいとおしい相手なのに」
こう言ってどうしていいのかわからず頭を抱えてその玄室の中をうろうろとしていた。そうしてそのうえでだ。何故か部屋の中にあったロープを手に取ってだ。それで首吊りを作ったのであった。
「さて、と」
それを作ってから言う。
「いんちきな世の中はおいらにだけ厳しい。可愛いパパゲーナも何処かに行っておいらは一人だ」
その首吊りを見ながらの言葉だ。
「けれどあの娘が来てくれたら考えてもいいんだけれどな。おおい」
ここで誰もいないのに周りに声をかける。
「誰かいないのか?」
こう問うのだった。
「誰かいないか?止めるなら今のうちだぞ」
しかし返答はない。
「いないのか?」
もう一度問うた。
「もう一回尋ねるぞ。いないのか?」
やはり返事はない。当然ではある。
「一、二、三で数えて本当に返事がなかったら」
わざわざ勿体までつける。
「死ぬからな。いいな」
やはり返事はない。ここでやっと諦めるパパゲーノだった。
「わかった。もういい」
そのまま首吊りに向かう。しかしであった。
「待って下さい」
「何をするかと思えば」
「落ち着いて」
少年達が来た。そうしてすぐに彼を止めるのだった。
「人生は一度だけですよ」
「それでそんなことをしてもです」
「何もなりはしません」
「けれどだね」
パパゲーノは首吊りを取り払いながら彼等に述べた。
「おいらはだね」
「わかっています。パパゲーナですね」
「彼女ですね」
「そうだよ。あの娘はどうやったら戻って来るんだい?」
「その鐘を鳴らせばいいのです」
少年の一人が答えてきた。
「それを鳴らせばです」
「鐘を使えばいいのか」
「そうです」
「よし、わかった」
それを聞いて確かな顔で頷くパパゲーノだった。
「それなら鳴らすよ」
「是非共」
「そうして下さい」
「よし、それなら」
パパゲーノは早速鐘を鳴らした。
「鈴の音よ。響き渡り可愛い恋人を連れて来てくれ」
「さあ、パパゲーノ」
「周りを見て」
「ほら、周りを」
「周りを?」
するとだった。パパゲーナが来ていた。その彼女が笑顔でパパゲーノに告げてきた。
「パパパ」
「パパパ」
それに合
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