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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第21話 託された願い
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乱戦である今、ディアベルの遺言でもあった、全員を助けるのは難しいだろう。そして、まだ戦意を喪失しているプレイヤーも多い事も致命的だ。つまり、これ以上の被害を抑える為には限りなく早くにあの暴れているコボルトの王を倒さなければならない。
確かに難題だ。だけど、約束したのだ。一方的だったかもしれないし、返事を返す事も出来なかったが、約束をした。
「よし……、なら 今から少し無茶する。……今、皆を助けるには この方法しか、これしかない」
リュウキはそう言うと、再びコボルトの王の方を見た。
キリトたちは何をするのかわからなかったが、頷いていた。リュウキの事は信頼出来るからだ。
それは、付き合いはまだ短いが、アスナ・レイナの2人もそう思っていた。その視線は鋭く、寒気すら感じる。怒りの意志も感じるその視線の先にはコボルトの王を見定めていた。
今だ4段目のバーは一向に減っておらず、まだまだ暴れまわっている。プレイヤー達は必死に持ちこたえてはいるが、崩れてしまうのも時間の問題だろう。
殆どのメンバーのHPゲージが、半分を切っているのだから。つまり、全員が
注意値
(
イエロー
)
なのだ。
それを確認すると同時に、リュウキは眼をつむり、すぅぅ…… と大きくリュウキは空気を吸い込んだ。
あまりに長い吸い込み、長いそれはまるで空間の全てを吸い尽くす勢いだった。
軈て、吸い込みは止まった。
「……皆、耳を塞いでろ」
短くそう言う。吸い込んだ空気を逃がさない様に素早く。
皆は、何を言っているのか、よく判ってなかった様だが、何とか理解し、耳に手を当てた。今は周囲に敵がいない状態だから、良かっただろう。
次に、リュウキは、一気に吸い込んだ空気を吐き出した。怒り意志をもって。
『お前の相手はこのオレだァァッ!!! かかってこいやあああああァァァァッ!!!』
吐き出された言葉。……いや、言葉とは言えないだろう。それは咆哮とも取れるその声量だからだ。この場を、このフロア全体を震えさした。エフェクトさえ発生する程である。
突然の雄叫びに、その場の全員が脚を止め、発生源を見ていた。
それはコボルトの王も例外ではない。
目をギラつかせてこちらを見ていたのだ。その瞳に入ったのはリュウキの姿。挑発行為と受け取り、どうやら、次の標的を決めたようだ。目的の通りに。
「なななっ……」
「何て……声なの……?」
「耳イタイ……」
彼が放ったのは《デュエル・シャウト》。主に敵の
増悪値
(
ヘイト
)
を煽り、気を自分に向けるスキルだ。パーティプレイでは必須だとも言える。
だが、ここまでのものを、キリトは知らない。
全体に轟きわたる
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