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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第21話 託された願い
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異常事態で、何が正解、間違いなのかは、誰にも判断出来ないのだから。

 それを訊いた、情報屋は、ゆっくりと頷くと。

『その時は、非難の矛先をオレっちに誘導してクレ。虚実織り交ぜた巧みな情報操作で、既得権益の確保と拡充に余念のない。……ベータ上がりの卑劣な情報屋《アルゴ》様の誕生ダ』

 そう情報屋とはアルゴの事。……情報も覚悟をして、渡しているモノだから、アルゴにもその覚悟はあった。元βテスターだから、と言う理由もあるだろう。
 だけど、それは容認出来ない。

『いや、アンタには迷惑をかけられない。頑なに話さないが 情報の根源は……()から受け取っているんだろう? じゃなければ、ここまでの正確なモノは作れない』

 攻略本を見下ろしながら、そう訊く。実際にこれのおかげで助かったのは間違いないのだから。

『アンタは、そんな()と接触出来る数少ないプレイヤー。そして、βテスターとビギナーの橋渡しを公然と行なえるのは、……後にも先にも、アンタしかいないからな』

 そう言い終えると同時に、アルゴの目の前に可視化されたウインドウが表示される。

『報酬を確認してくれ』
『ン……、確認したヨ』
『追加したら、教えてくれるか? オレの推測が正しいかどうか』
『……それはダメダ。もう、嫌われたくなイ』
『はは。惚れたか。……勇者様に』

 苦笑いをした。あの時(・・・)、あの攻略会議の時。……勇者と名乗らず、()騎士(ナイト)と名乗った理由はそこにもあった。
 この世界で、トップに立って、皆の期待を一身に受けるのは、()以外有り得ないと思えたからだ。

 だが、現実は非情。行先は光で満ちているとは限らない。……暗雲とした先が見えた気がしたのだ。

『いざとなったら、オレの代役を任せられる者がいる事は喜ばしい事だ。……2人もな』
『……残念だガ、攻略組のリーダー役なんて、買って出る様な真似はしなイヨ。これだけは断言してヤル。絶対』

 アルゴはニヤリと笑ってそう言った。彼の顔を見て。……そう、ディアベルの顔を見て。




『いや、違うな。……リーダーじゃない。 その場合、求められる役割は……、生け贄(スケープ・ゴート)だ』



 

 





 薄れゆく意識の中、ディアベルは思い返していた。そして、申し訳なさも出てきた。こんなつもりじゃなかった。だけど、自分の中にある、誇り(プライド)が、後一歩引かせなかった。

 何度も助けられた。だから、ここは自分の判断で、攻めたかったのだ。

 「お前らも……わかるだろ……テスターだったら…… オレの行動の意味が……」
 「「!」」

 ディアベルの言葉を聞いて、悟った。目の前でい
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