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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第21話 託された願い
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血の様な赤いラインを生んでいた。

「ぐああああああっ!!!!!」

 その一撃は、ディアベルをHPを、命の数値を深く削り、損失させた。
 そして、続け様に三連撃、最後の攻撃は、致命的な一撃だった。スキルの勢いで、ディアベルの身体はまるで、風に飛ばされる木ノ葉の様に 吹き飛ばされた。

「あれは、刀スキルの《緋扇》か! くそっ!!」

 それを視たリュウキは、最後のセンチネルを踏みつけ、飛び越える様にその頭を思い切り蹴りつけ、跳躍する。そして、吹き飛んで来た、ディアベルを空中で受け止めたのだ。
 
 吹き飛ばされ、落下し 叩きつけられれば、勿論 それも攻撃判定になる。少しでもダメージを回避し、少しでもHPを削らない為にも。

 ……この時、リュウキは彼のHPの残存は視ていなかった。

「でぃ……ディアベルはん!!」

 キバオウは勿論、その場にいた全員が絶句する。

 まさかのリーダーが眼前で吹き飛ばされたのを見てしまった事と、あのスキルを見た為だ。後僅かのHPなのだが、その凶悪なスキルを目の当たりにし、驚いて硬直してしまったのだ。

 その隙を、コボルトの王は見逃さない。これまでの仮を全て返す。痛みを返す。そう言っているかの様に、怒り狂った表情で、全員を睨みつけていた。


「ガアアアアア!!!!」


 唸り声と共に、怒りの目を向ける。BOSSとは言えモンスターだ。言葉を発する事は無いのだが、『次はオマエラダ』と、言っている様に見えていた。


 幸いな事に、一度吹き飛ばしたディアベルに、ヘイト値は無かったらしく、標的にはならなかった。無事に受け止め、着地した所にキリトも駆けつけた。

「ディアベル!」

 彼のHPゲージは、減り続けている。あまりの速度で叩き込まれた為、ダメージが遅延されているようだ。このままでは……。

「おい! なぜあんな馬鹿な真似をした!? ……あの時、俺は言っただろう! もう、如何なる有利性(アドバンテージ)もこの世界には無いんだと!」

 リュウキはディアベルに叱り付ける様に言うが……今はそれどころでは無い。直ぐに回復のポーションを取り出す。

「いかん、危険だ……。キリト! お前のもくれ。2人で同時にやるぞ!」

HPが減るのが止まらない。今はもう2割も無い。致命的な一撃だった事を今、理解した。
 このまま、放置すれば、尽きてしまうのは目に見えていたのだ。

「ああッ!」

 キリトにも十分状況を理解していた。だから、2人は間髪いれずに飲ませ、HP全損を防ごうとするのだったが。

 ディアベルはそれを拒否した。


――薄れゆく意識の中、思い出すディアベル。それは、この戦いの前夜の事。



〜2022年 12
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