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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第21話 託された願い
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かりであり、まだ 自身の目で確認した訳じゃない。……だから、最後にどんな隠しだまを持っているのかも判らないのだ。

 勿論キリトやリュウキにとってもそうだ。

 βテストの時と今の差。それを身にしみて知っている身なのだから。今まで戦ってきた中では 別段変わった様子はないが、あのHPゲージを全て消すまで、蹴散らし、その巨体を消滅させるまで、気は抜けない。
 だからこそ、単独行動が一番危険なのだ。

 そして、この指示と行動は明らかに間違えている事も判っていた。

「ここは、最後の攻撃。パーティ全員で包囲するのがセオリーの筈だろ……?」

 キリトも同じだったらしく、驚愕した表情でディアベルを見ていた。全員で攻めれば、例えどんな技を使ってきたとしても、押し切れる可能性が高い。どんな攻撃をしてきても、人数が居れば、攻撃を分散させやすく、回避もし易い。

 だが、それをあのディアベルが判っていないとは思えなかった。

 その時キリトとリュウキは確かに見た。攻撃に移る刹那、ディアベルがこちら側を見たのを。


 ディアベルは、剣に力を込めた。
 
 ソード・スキルを撃ち放つために。
 今覚えている最大のソード・スキルの一撃で終わらせる為に。だが……。

「なっ……!! 変わったっ!?」

 リュウキが目を見開いて相手を見た。咄嗟に最大限に集中し、コボルトの王を見定めたのだ。初見で視た(・・)その情報とは明らかに違っている。

「なッ! あれは、曲刀(タルワール)じゃない……野太刀!」

 キリトもリュウキの声で気づいた。BOSSが手にかけた武器が情報と違っていると言う事に。
この第1層のフロアではまず使用されることのない武器の1つ。
 初期武器カテゴリーには無い エキストラ・スキルでもある刀。

「おい! 駄目だ! 行くな!!」

 リュウキは、すぐさま声をあげた。だが、センチネルも待ってはくれない。まるで、意志を持っているかの様に、絶妙なタイミングで、再びPOPされ センチネルに囲まれてしまったのだ。

「邪魔を……するなぁ!!」

 リュウキは現れたセンチネルを、強引に、力技で、素早く正確にセンチネルの首の部分を撥ねた。

「ディアベル! 全力で後ろへ飛べぇぇっ!!!」

 敵に囲まれ、叫び声すら、相手の唸り声でキャンセルされてしまっているリュウキを見て、キリトが変わりに叫んだ。
 彼の行動を止める為に。…刀のスキルには、凶悪なモノが沢山あるから。

「ガアアアアア!!!!」

 コボルトの王は フロアの天井にまで届きかねない程に跳躍し、凄まじい斬撃で上方からディアベルを切りつけた。プレイヤー達よりも遥かにデカい野太刀は、ディアベルの身体を袈裟斬り、そしてその身体に
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