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牙狼〜光の王国〜
出逢
[1/4]

[1] 最後
冴島鋼牙……森羅万象あらゆる者に憑依し、人間を喰らう魔獣ホラーから人々を守る魔戒騎士の最高位「黄金騎士・ガロ」の称号を持つ男。
鋼牙は魔戒騎士が所属する機関である番犬所から、人間界に降臨した魔獣ホラーの中でも最凶と呼ばれる7体の使徒ホラー撲滅の指令を受けていた。
7つのエレメントに罠を張り、高度な知能と能力を駆使して人間を襲う使徒ホラーは幾人もの魔戒騎士・魔戒法師が戦いを挑んできたが、その強大な力の前に敗れ去っている。
そんな敵に鋼牙は勇敢にも1人で立ち向かい、撲滅寸前の残り1対まで片づけていた。
残るホラーは魔雷ホラー バクギ。
雷鳴の如き速さで移動し、古の時代は雷と共に出現していたが、現代では電気を伝ってどこにでも出現する。
鋼牙はバクギを夜の深い森の山間部に追いつめていた。

「もう逃げ場はないぞ?」

そこは木や草が覆い茂り、頼りになるのは月明かりのみで、まさしく暗闇であった。
電気がなければ、バクギは逃げる事はできない。
バクギも逃げれないと観念したのだろう、振り向いたその容姿はまさしく雷神そのもの。
雷神と言えば、鬼の様態で、牛の角を持ち虎の革のふんどしを締め、太鼓を打ち鳴らす姿が馴染み深いが、バクギの姿はまさしく絵に描いたような雷神。

お互いに数秒間、睨み合う……そして鋼牙は剣を構え、バクギは雷に包まれた太鼓の棒を鋼牙に向ける。

今まさに、戦いが始まろうとした時、空中から巨大なの輪が出現し、あっと言う間に鋼牙とバクギを呑み込む。

「なんだこれは!?……ぐあぁぁぁぁぁ!?」

全身が真っ逆さまに急降下している錯覚を覚えると同時に、自分の身体が光の粒子になって消滅していく。
鋼牙も光から抜け出そうと必死に抵抗するが、身体が鉛のように重く、思うように体が動かせない。
鋼牙は当初、バクギの技と思っていたが、バクギも光の中でもがいている姿を見るに、この光はバクギが出現させたものではないと気づく
そして十秒もしないうちに、光の輪は消滅。
その輪に呑み込まれた鋼牙とバクギも光の輪と共に姿を消した。

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『光の国、トワイライトは邪悪なる者の手によって光を失う      
 放置すれば闇は拡大し、いずれトワイライト以外の王国も魔の手に堕ちるであろう
 しかし、必ずや、その闇に立ち向かう勇者現る。
 そして勇者と共に異界から来る、黄金の狼が闇を切り裂き、我々は再び、光を取り戻すだろう
 ただし、トワイライトの姫が勇者と黄金の狼の懸け橋とならなければ、この世界は闇に堕ちる』

遥か古より光の国、トワイライト王国に伝わる予言の書……その予言書を今の私はひたすら読み返すことしかできなかった。

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