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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-3 第10話
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れかその事をローラ姫には話そうとは考えていた。
そうこうしているうちに、リムルダールの入り口が見えた。
「あ、ローラ姫、着きましたよ」
「はい、ハルカ様」
二人が町に入る頃には、夕日の赤で染まっていた。

入ると、街中がざわめきだつ。
「あれは……ローラ姫!?」
「あの髪、少し見えるドレス、……ローラ姫だ!生きていたんだ!」
「あの人が、助けてくださったんだ!」
「勇者だ!勇者だ!」
段々と人々が集まってきた。そして、
「勇者万歳!勇者万歳!」
と叫びだしたのだ。
「ハルカ様……」
「すみませんね、こういうことになってしまって」
「いえ。でも、恥ずかしいですわ」
「僕もですよ」
戸惑いと恥ずかしさはあったが、嫌な気持ちは無かった。こうなる事は予想できたからである。ハルカとローラ姫は、照れ笑いしながら、街の人たちに頭を下げた。

そして仕立て屋でも、男はハルカ達を歓迎した。
「おお!ハルカじゃないか!一緒にいるのはあのローラ姫か!流石だ!おお、用件はもしかして!?」
「ええ。ローラ姫のドレスのことなんです。このドレスは春物でボロボロなんです」
ハルカはローラ姫を降ろし、くるんでいたマントを外し、元の、自分の鎧につけた。
「ありゃ、本当だ。半年もの間、苦労なさったんだな」
「はい……」
「よし、任せておけ。夏物のドレスにして、綺麗にしてやる。さて、代わりのドレスが無いな……うーん」
仕立て屋は奥のタンスを調べたが、あったのは、他の人の依頼の、質素なドレスだけであった。
「あの、私、布の服でも良いので!」
「それは困る。お姫様だから良い代わりのものを用意したいのだが……。仕方が無い、これで行こう」
「え……?」
ハルカが仕立て屋の男の言葉に少し不安を覚えた。ローラ姫は布の服でいいと言っても、仕立て屋の言うとおり、姫君にはあまり不釣合いな格好をさせるわけにもいかないのだ。
「ほらこれだ。今じゃ珍しくなってきたが、とても綺麗な衣装だぞ。ローラ姫にも合うと思うぜ」
そういって仕立て屋が取り出したのは、水の羽衣。
雨露の糸で作られた、高性能で美しい防具だ。しかし、最近はそれを作る職人も減っており、入手は困難を極める。
「まあ……!素敵!」ローラ姫は目を輝かせた。ハルカも、
「僕も綺麗な状態では初めて見ました」
と肯いた。
「よし、では着替えておくれ」
「はい」
ローラ姫が試着室に入っていくとハルカは、
「御代はいくらです?足りなければゴールドマン倒しまくってでも稼ぎますが」
と聞いた。すると、
「これくらいだな」
と紙にスラスラと書いていってハルカに見せた。
「……ちょっと!それだけで良いんですか!安すぎでは……悪いですよ」
書かれていたのは500G。店に行けばこれより高い武具はた
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