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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-2 第8話
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あると聞いています。あなたなら役に立つと思いますよ」
これは初めて聞いた。ハルカはロッコの言葉をしっかりと覚えておくようにした。いつか必ずメルキドに行く時が来るだろうから。
「ありがとう。ロッコさん。ナナさんとずっと仲良くしてくださいね」
「ああ、ハルカさん、ありがとうございます!あ、僕はこれで」
ロッコは足取りも軽く、賑わう街の中を走り去っていった。
ハルカは、緊張した気持ちが少し和らいでいくのを感じた。
(ロッコさん、頑張って)

そして少し遅い朝食をベンチで食べた後、リムルダールの外へ、ハルカは駆けた。
鋼の剣を握り締め、リカント族や骸骨族等をを次々と倒していった。
あせらず、疲れた時は休憩をし、それでもひたすら鍛える為に闘っている。
セサヴァーを倒す為、ローラ姫を救う為、そして竜王を倒す為、ハルカは闘い続けた。
その時、レミーラを習得した。明かりの呪文だが、ハルカはマヌーサ代わりに目くらましの術としても活用した。
そして、複数の敵が襲ってきた時だった。
「そこの勇者よ、これだけの数を相手にすることは出来ないだろう」
「出来るさ。ロト様だって複数の敵相手に戦ってきたんだから」
「お前はロトの子孫かもしれんが、ロトでは…………っ!?」
ハルカは複数の魔物たちを漢字の一のように一気に切り裂いていく。
「……“横一文字”!!」
新たなる技を習得した。魔物たちは一撃にして一気に全滅した。
「く、くそうっ……貴様」
「僕はお前たちに負けるような奴にはなりたくない」
シュウウウッと消滅していく魔物たちを冷たい目でハルカは見た。
(今、僕が負けることは許されない)

その後、一日かけて南の島に出た。
そこは聖なる祠があるところだった。
その近くには小さな集落があった。
ハルカはそこへ寄る。集落の中は十数人の人々がひっそりと暮らしていた。家も質素なわらぶき屋根である。そこの住人の1人は、「聖なる祠のおかげで何とか襲撃されずに済んだんだ」と言っていた。
「おや、久しぶりのお客さんだ」
入り口の近くにいた老人が立ち上がり、ハルカを歓迎した。
「こんにちは。お邪魔してもよろしいですか?」
「ああ。ただし、この近くにある祠には不用意に近づいてはならん」
その言葉にハルカは少し身構えた。いつか行くことのなるであろう場所であるからだ。
「危険なんですか」
「いや、あそこの賢者は気難しい人でな、どんな人でも、何を言っても、『愚か者よ、出て行け!』と大声で叫ぶのだ。あの賢者が受け入れた人など今まで誰もいないんじゃ」
「……なるほど」
身構えるのをやめると、ハルカは頷いた。
(今の僕は近づかないほうか賢明だな。ロト様の伝言の神器を僕は何一つ持っていない。恐らく……)
「解りました。近づきません(……今は)」

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