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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-2 第7話
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を駆けてみたいのだ。
「分かりました。持ち主は?」
「リムルダール町長だ。大きなお屋敷に住んでおるからすぐ判るだろう。乗馬で行けば2週間近くかかるリムルダールも数日で済むだろう」
「そうですね。分かりました。お引き受けいたします」
「そうか、すまないな。国王のわがままに付き合ってもらって」
「ローラ姫が攫われて自棄になっているのでしょうね……では、僕は失礼します。国王に引き受けたと伝えておいてください」
「ああ。頼んだぞ」

ハルカはイアン一家を訪れ、サユリの保存食を受け取ると、四人で固い握手をし、ラダトームを離れた。
慣れた手つきでハルカは馬の手綱を引く。颯爽と駆け抜けていく。時々下馬し、仮眠や戦闘を行った。
(乗馬も気持ちいいものだな。体を鍛える為には徒歩のほうがいいが、……楽しいものだな)
ハルカはフッと笑う。
風が気持ちいいのか、時には夜通し駆け抜ける時もあった。戦士団の時は牧場外を走らせてはもらえなかった。相手が馬とはいえ、少しの間だけでも、フィールドでは孤独でない時を過ごしたかったのかもしれない。
そして3日で沼地の洞窟へとたどり着いた。

沼地の洞窟の前は毒沼になっており、馬もいくらかダメージを受けた。
ハルカはそのことを知っていたので、ホイミを何度かかけてあげた。
(僕は薬草で十分だ。敵も剣術と魔術で何とかなる。
さすがに、洞窟の中では下馬して、馬を連れて徒歩で歩いた。
洞窟の中は案の定暗闇だった。
レミーラを試みたが、数秒光を照らしただけで終わった。
「駄目か」チッとしたうちをしながら松明を取り出し、火をつける。
(……そうだ、ここには恐らく、ローラ姫が閉じ込められている。……)
ハルカは馬の方を見る。馬はただ、大人しく目を閉じた。
「悪い、少し付き合ってもらうぞ。大丈夫。君は見守るだけでいい」
そういうと、直線に行けば出口にいけるところを左に曲がった。
そして奥へ進んでいく。

底には石で作られた扉があった。頑丈そうだが、何か開けるような条件のような物はあるのだろうか。鍵穴は見当たらない。
(……開けられるのか?いや、開けられなければ、僕はローラ姫を助けることは出来ない!……行かなければ!)
ハルカの意思は固い。ローラ姫は一刻も早く救出しなければ、そんな気持ちがあった。
都合よく床に突き刺さった岩に、馬の手綱をくくりくけると、ハルカは力一杯、石の扉を押した。
(開け!…………!?)
何か違和感を感じた直後だった。
「無駄だ。今の貧弱なお前に、ローラは渡さぬ」
低い声とともに、眩い光がハルカを包んだ。
「……うっ、……あああああっ!!」
それは一瞬の出来事だった。2、3秒もかからなかった。
突然、ハルカの体に衝撃が走る。激痛が走る。勢いよく叩きつけられたような痛み。
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