暁 〜小説投稿サイト〜
SAO─戦士達の物語
GGO編
百二十話 導く温もり
[6/20]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
が、実はアミュスフィアの作った仮想世界だったしても……私にとっては此処が現実。きっと、そう」
「……まぁ、そもそも魂にも記憶にも、質量付けて何て考えるの面倒だしな……経験値の蓄積は、本人に一括。って事で良いだろ」
最後にニヤリと笑った涼人がそう言うと、和人は少し呆気にとられたような顔をして言った。

「そうか……そうだな」
そうして、ニヤッと笑うと、菊岡の方を見る。

「今の、ちゃんとメモっとけよ?この一連の事件で唯一の、価値ある真理かもしれないからな」
「えへへ〜」
「離れなさい」
どさくさにまぎれているつもりなのか照れたように笑いながら詩乃の方にくっついた美雨を、詩乃が引きはがした。

────

さて、話は、事件概要の話から、死銃の共犯者の話へとなっていた。

「さて、それで、死銃は結局、三人の人物を標的に選んだってとこまで話した訳だけど、此処では前の二件とはトがって大きな障壁が有った。BoBでは実行役と死銃役、双方の連絡が取れないから、射撃時間を一致させるのが困難だった。それを一応彼等はライブ中継で解決したわけだけど……」
「移動の問題があったわけだよな……」
口をはさんだ和人の顔は少し苦々しげだ。

「そうなんだ。ターゲットになったのは昌一の自宅から近い三人だったんだが、天松さんの住む品川区二葉と、ペイルライダーの住む大森はすぐ近くでは有るものの、朝田さんの住んでいたのはずっと離れた文京区湯島だからね。しかも死銃役をそれまでやっていた恭二が、その時に限って実行役に固執したんだそうだ。昌一はスクーターを持っている物の、恭二には運転は出来ない。だから、昌一は新しい仲間を計画に加えた。名前は……金本敦、十九歳。昌一の古い友人……というよりも……」
そこで、菊岡はちらりと涼人と和人を見た。

「SAO時代のギルドメンバーだったようだね。キャラクターネームは……《ジョニー・ブラック》」
「オーイ、やっぱ彼奴かよ……」
「…………」
涼人は呆れたように額に手を当て、和人は真剣な顔でテーブルを睨む。

「その様子だと、二人とも聞き覚えがあるみたいだね」
「まーなぁ。向こうに居た時もしょっちゅうザザと一緒にみかけてたし、やたらうるせぇ奴だったからよく覚えてんよ。ったく、つーか彼奴とタメとか……精神年齢で年齢書き直せマジで」
大層だるそうに言う涼人の横で、和人は苦々しげな表情をする。

「あの頃も、何人ものプレイヤーを襲い、殺した奴だ……。畜生……こんな……こんなことなら……」
「やめとけ」
和人の発言を、途中で涼人が遮る。
みると、椅子に深く腰掛けたままの体勢で、涼人は和人の顔を正面から見ていた。その方をすくめながら、涼人は言う。

「今更言った所で、何にもならねぇよ。それにな、あの時そうし
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ