GGO編
百二十話 導く温もり
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「ジンジャエール二つ!アイスコーヒー一つ!」
「おれアイスココアな」
「あいよ」
そうして、和人と涼人は、飲み物が来るのを待って、他のメンバーに話を始めたのだった……
────
和人、美雨、詩乃、涼人が自分達の身に起こった事を離し終えるためには、互いが互いの話を補てんし合い、ダイジェストでも十五分は掛かった。
「と、まぁまだマスコミには発表されてないから実名とか細部は伏せたけど、そう言う事が有ったのでした」
言いながら二杯目のジンジャエールをのみほして、和人は椅子にもたれかかった。
「成程ね……ラフコフの残滓……か」
息を尽きながらそんな事を言った杏奈に続いて、里香が呆れたような様子で言った。
「なんて言うか……あんた達兄弟って、よくよく巻き込まれ体質よねぇ」
「ま、今回ばっかしゃ一概にそうとも言えねえかも知れんけどな」
「あぁ、俺の……いや、俺達の因縁、って言うのかな……そう言うものから生まれた事件でもあった訳だしな」
「……そっか」
和人の溜め息が混じった声に、里香が少し気遣わしげな声で呟いた。と、そんな少し暗めの自分の声に上塗りするように、彼女は続けて言葉を吐き出す。
「あーあ……私もその場に居たかったな……死銃って奴に、言ってやりたい事山ほどあるよ」
「それは同感ね。私も、一発怒鳴りつける位はしてやりたい所だわ」
里香の言葉に続くように、杏奈がふてぶてしい声でそう言った。
『命拾いしたなザザの奴』
正直このメンバーの中でも断突で口うるさいこの二人から同時に説教など受けようものなら、涼人としては正気を保っていられる自身は無かった。
と、そんな涼人の思考に気が付いた訳ではないだろうが、不意に杏奈が涼人の方を睨んだ。
「って言うか、それはそうと桐ケ谷君!そんな事が起きてるならなんで弟君伝って私に連絡しようとしない訳!?そんな奴倒すなら一人でもメンバー多かった方が良かったじゃない、おまけにアイリまで危ない目に会わせて!」
「あ、あぁ!?」
「あ、アン……!?」
少し、と言うか普通に怒った口調で怒鳴りつけて来た杏奈に、涼人と美雨が目を向いた。慌てて、涼人は言葉を変えす。
「言えるわけねぇだろ!あの状況でお前に伝えてみろ!お前こっちにすっ飛んで君だろうが!」
「当たり前でしょ!?」
「それじゃ困っから言わねぇでおいたんだろうが!」
「ふーん?それじゃ何?桐ケ谷君は私の心配をしてくれたってわけ?」
そんな訳が無いと言わんばかりに厭味ったらしく言った杏奈に対して、涼人はふんっ、と鼻を鳴らして言った。
「ったりめぇだろ。何言ってんだお前」
「……へっ?」
「……あ?」
面食らったように目を見開いて停止した杏奈に、涼人が逆にテンポをくじかれ
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