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SAO─戦士達の物語
GGO編
百二十話 導く温もり
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言ったのに!!」
明日奈と同じく手をぶんぶん振って抗議する美雨の言葉をからかうように笑い飛ばして、次は杏奈を示した。

「で、此奴は、ウチの生徒会長、まぁ俺と天松の上司の鬼生徒会長……が、実を言うと……「だぁ!言うな!」おっと!」
話途中に飛んで来た杏奈の鉄拳を軽く躱して、そのまま涼人は続けた。

「黒鬼(オーガ・ネーロ)、闇風こと……風巻杏奈だ」
「えっ!?……や、闇風!?」
「あぁぁ!もうっ!!」
言われてしまっては仕方ないとばかりに地団太を踏んで杏奈は引き下がる。が、その眼が詩乃とアウト、やりずらそうに苦笑した。

「この間はどうも、かしらね。シノン」
「え、えぇ……って、まさか貴女までりょう兄ちゃんの知り合い……」
「不本意だけどね」
「ほれほれ、まだ終わってねぇぞ。当然此処まで来て此奴だけ除外はねぇ」
「ふぇっ!?」
涼人が示した先に居たのは、皆の紹介を楽しげに見ていた美幸だった。まさか全員と知りあいである自分が示されると思っていなかったのか、飛びあがって驚く。

「ま、あえて言うのもあれだけどな。所がどっこいこの気弱、誰が読んだか黒魔女(シュヴァルツ・ヘックス)サチ。麻野美幸」
「あうぅぅ……」
「シュヴァ……え?」
大仰……問言うよりもやたらと格好の付いた二つ名と目の前に居る姉代わりの態度がかみ合わず、少し混乱したように聞き返した詩乃に、項垂れた美幸が弱弱しく返した。

「うぅ……お願いしーちゃん、深く聞かないで……お願いだから……」
「あ、う、うん……」
「んで……おっと、忘れるとこだったそんでもってあれが……」
そう言うと最後に、涼人はカウンターの向こうの巨漢を顎でしゃくって言った。

「……壁の《ウォール》エギル」
「おいちょっと待て!昔そんな感じのネーミングを何かの漫画で見たぞ!!」
「お!よく知ってんなエギル!」
嬉しげに言った涼人に、エギルは苦笑しながら大声で返した」

「よく知ってんなじゃねぇ!大体、俺にはママからもらった立派な名前があるんだ」
「あぁ。分かった分かった。此処の店主で何とあの顔で既婚。アンドリュー・ギルバード・ミルズさんだ」
「あの顔では余計だ。始めまして。今後ともよろしく」
渋い顔で涼人に言ってから、深々と頭を下げた巨漢に、慌てたように詩乃と美雨は頭を下げ返した。

「それじゃま、座ろうぜ」
既につなげてあった二つ在る四人掛けテーブルに歩み寄って、和人は椅子を引いた。
詩乃、美雨、里香、明日奈、杏奈、美幸が座るのを待ってから、最後に涼人が座ると、和人がエギルに指を鳴らす。

「エギル、俺ジンジャエールシノンとアイリさん、何飲む?」
「あ、えと、じゃあ同じので」
「私アイスコーヒー!」
二人から帰って来た返事を確認して、和人は
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