GGO編
百二十話 導く温もり
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ら降りながら言った。リズベット……もとい、篠崎里香である。
と、三人の内、もう一人の僅かに茶色がかったストレートヘアの方では無く、肩のあたりまで伸びた、黒髪の少女が見知った顔である事に、詩乃は気が付いた。
「え、お姉ちゃん!?」
「うん。こんにちは。しーちゃん」
可愛らしく微笑んでそう言ったのは、サチ……と言うか、彼女の姉代わりである、麻野美幸だ。隣でニコニコと微笑んでいる少女と共に、床に降りると、アップルパイがどうこうと言っている二人の間に手慣れた様子で割って入った。
「それよりキリト、ほら、ちゃんと紹介してあげないと」
「あ、お、おう。そうだった……」
「あぁ、待って待って!」
慌てたように少し前に出て詩乃の紹介をしようとした和人を、里香が制止した。と、奥の手洗い場が開き、中からもう一人、美羽や和人と同じ制服を着た人物が現れる。
「……げ」
「ふぅ……って、あら、ようやくご到着?」
「はい。先輩もこっちこっち!」
「はいはい」
里香の言葉に駆け寄ってきた人物は、涼人や美雨にとっては特に見慣れた人物……生徒会長事、風巻杏奈だった。
「あれ、アン!?」
「うぉい!なんで居んだよ風巻テメェ!!」
「私が放課後に何処にいようと私の勝手でしょ」
怒鳴るような涼人の声に冷やかにそう返して、杏奈は明日奈の隣に立った。
「それじゃ、今度こそ、キリト君」
明日奈がそう言うと、和人は慌てたように頷く。
「お、おぉ。って言っても、このなかで知り合いじゃないのは、シノンとBoB組とサチ以外の他の皆か。それじゃ……」
和人が涼人の方を向くと、涼人が詩乃の背中を押す。初対面の人物と向き合うと毎度のように這い出て来る怯えを押し殺しながら、詩乃は頭を下げる。
「此方、ガンゲイル・オンライントップガンナーの一人。シノンこと朝田詩乃さん」
「ち、ちょっと!」
不意打ちな紹介の仕方に、小声で抗議するが、和人は気にした様子も無く笑いながら先程のアップルパイ云々を言っていた少女を示して言う。
「そんでそっちが、ぼったくり鍛冶屋のリズベットこと篠崎里香」
「このっ!」
即座に攻撃してきた里香のそれをスルっと回避して、今度はストレートヘアの少女に左手を向ける。
「で、こっちはバーサク治癒師のアスナこと結城明日奈」
「ひ、ひどいよー!!」
微笑みながらも手をぶんぶん振って抗議する彼女に笑いかけながら、和人は涼人の右手を叩く。
「兄貴、タッチ!」
「おうよ」
二ヤリと笑って前に出た涼人が、先ずは美雨を示して言う。
「ま、知らん訳でもないだろうが一応な。此奴、ウチの生徒会の副会長で……切り裂き少女(リッパー・ガール)のアイリこと、天松美雨だ」
「わぁぁぁ!!それもう言わないって
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