第7話 最後は封印して終わりですよ?
[8/8]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
はずの彼女が、美月の召喚に応えてくれたのか、などの疑問点は残りますが。
そして、夜と、入浴中と言う状況に相応しい静寂の空間が訪れた。
天井で冷やされ、湯気から雫に戻された水滴が、再び湯船へと戻り来る。
その際に発せられる細やかな音色と、刹那の世界に王冠にも似た形が作り上げられた。
高い小さな窓から覗くのは、月と春の夜空だけ。
余計な騒音もなければ、煩わしさもない、ここしばらくは忘れていた平和な夜。
「ねぇ、ハクちゃん」
再び湯船の表面を叩く水音。
その音に重なる美月の問い掛け。
問い掛けが天井。そして、壁に反射され言葉を発した美月自身と、そして、問い掛けられたハクの耳に遅れて届いた。
僅かな水滴の音を伴って……。
そうして、
「あたしの呼び掛けに、応えてくれてありがとうね」
普段よりも小さな声で、美月はそっと囁くようにそう口にしたのでした。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ