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恋姫〜如水伝〜
二十四話
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「はい、我が主の意見を伝えます」

関羽の伝えた劉備の言葉は如水の事前に考えていた事と同じだった。その言葉を聞き、予想したとはいえ如水以下、他の者は劉備の言葉に呆れた。

華琳は関羽の話を聞き、劉備に逢って決定すると決めた。
「関羽。私を劉備に逢わせなさい。自ら伝えるわ」
「はい。ご案内します」

曹操領はずれ、劉備軍陣地

「上手い場所を取った所だな。要害は悪くない上、丁度中間に位置している」
「ええ、これ以上進んだら、攻め滅ぼしてやるところだったわ」
如水の感想に華琳は物騒に返した。
「春蘭、季衣、稟、如水の四人だけ付いて来なさい。残りは万一に備えなさい」

華琳は念の為に春蘭らに劉備に対して警戒させた。

「曹操さん、それに黒田さん久しぶりです」
「ええ、久しぶり。今は旧交を温めている場合ではないわ。要件を言いなさい」
「あ、はい!」
劉備の言った事は関羽の伝えた事と同じだった。
「いいわ。通行しなさい」
「本当ですか、ありがとうございます」
「対価はそうね、関羽一人で良いわ」
「…え!?」
華琳の言葉に喜色を浮かべた劉備の顔が凍った。
「何を驚いているの、通行税ぐらいだれだっって払うわ。当たり前の事じゃない」
春蘭は同意する様に頷いた
如水はその事に驚いた劉備に呆れた。
(一体、何処まで甘い考えなのだ。このような見苦しい行為を行って、その対価を払うのを渋るとは)
無論、顔に出さなかったがこれが伝え聞く、仁君劉備かと思った。

劉備は結局、その申し出を断った。
その言葉に関羽が反対し自分が曹操の下に行くと言ったが劉備は譲らなかった。

その態度に華琳は激怒した
「いい加減にしなさい、劉備。貴女それでも上に立つ者なの。いつまで甘えている気。貴女はもう義勇軍ではなく仮にも配下を率いる者でしょう、関羽一人で全軍が救えるのよ」
「でも…なら、私が曹操さんに仕えます」

その言葉で華琳の怒りは頂点に達した。
「劉備、貴女一体何を…」

華琳の言葉を遮る様に、如水が発言した
「そのあたりにしておいてあげよう。華琳、外部交渉の責任は私だ。此処は私の意見を聞き入れて劉備達を通過させよう。第一、関羽に来られても軍師として私は迷惑だ。関羽の将としての心構えは私の考えと違いすぎる、そんな者居たところで曹操軍にとって邪魔にしかならん」

劉備は旧知の如水が庇ってくれた事に喜んだが、後の言葉に反論した。
「黒田さん、どういう意味です。愛紗ちゃんが邪魔って。私の仲間を侮辱しないで下さい」
「言葉通りだ。それに侮辱と言うなら、今の君の醜態の方が余程仲間を侮辱しているが」

その言葉に劉備は黙った。そして如水は華琳に決定を伝えた
「劉備の軍の旗全てを此処に置いていく事。それが条件
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