十六話
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二日目入れるため、ここの店主と話して元々の二日目の分を三日目に回して時間を空けた。故に、今日である週の三日目は、朝から夕方までこの食堂でのバイトになった
そしてその際、ついでに時間を伸ばした。夕方以降のバイトがそもそも入っていないのでどうせなら遅くまで、それにバイト数が増やせなかった分時間を増やそうとシフトを入れようとした結果、外が結構暗くなるまでバイトしていくことになった
やや遅くなるが、昼も夜も店主の賄と言う形で食事が出るのでいいバイト先だともいえる
洗い終わった最後の一枚を立て掛け、手を洗う
次に皿が下げられるまで暇なので、とりあえず洗い場の周りに散った水滴をレイフォンはきれいに拭き始める
「どうせすぐ来るんだから別に拭かなくてもいいぞ。適当に休んどけ」
「はーい」
言われ、やることが本格的になくなったのでエプロンを外し、隅っこの方で椅子に座る
ボケーと何も考えいまま、何か作っているらしい店主の方を見る
「そういえば、今日は店閉めた後いた奴で適当に飲む話があるんだが、出るか? 今の所は俺とフーリエ、それとザックスだが」
「……飲まなくていいですよね」
前の時、ほんの少しだが言葉巧みに飲まされてしまった時のことを思い出して聞く
あの後、色々と大変だったのだ
「ああ、飲まなくていい。適当に飯突っついてジュースか何か飲んでれば十分だ。……まあ、自分から飲みたいっていうんなら話は別だがな。ああ、別だ」
「はは……考えときます」
一時厨房から出る
広い。とは言えないが、そこまで小さくもなく、そこそこの広さの食堂
ピーク時でも調理は二人でなんとかなる程度のここは純粋な食堂、というよりはややアットホームな感じがあり、今はピーク時を過ぎたため客は現時点で二人。常連でもある彼らはゆっくりと料理を食べている
先ほど直ぐに次の皿が来ると言われたが、この様子ではもうしばらく時間がかかりそうだ。そもそも、皿が来るのなら店内にいるもう一人のスタッフが会計の後に運んでくるので余裕がある
「ん? 休憩かレイフォン」
「はい。一通り洗い終わりましたので」
「まあ、今は客も少ないしな。そんなもんか」
フロア担当の先輩バイト、フーリエから聞かれ答える
彼はレイフォンがここのバイトに入る前からの古参のバイトであり、飲食業故、長めの前髪をバックにして留めている青年だ。前聞いた話では、二十歳ちょっとらしい
そんな彼は客がロクに居なく暇なのかしきりに手を胸の辺りで動かし、壁に寄りかかって店内を何とはなしにみている
「一昨日」
「どうかしたんですか?」
前置きもなく出された言葉に返す
「偶々会ったサーニャから体当たりされて、タバコ臭いって言われた」
「はあ」
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