暁 〜小説投稿サイト〜
鋼殻のレギオス IFの物語
十六話
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最初期メンバーであるエリスと、都市を出て比較的すぐに会ったアルウェイはシンラとの付き合いの長さが旅団内トップ2であり、シンラの今までの行いを良く知っている
 特に両方とも激情に駆られるタイプではなく、今までのシンラの行為を笑顔で上げネチネチと嫌味を言って楽しむ性格なので、これ以上続けてもひたすらに短所を挙げられるだけの気がしてならない

 レイフォンの方を見れば、何やらバイトの求人を見比べながらエリスに意見を求めているのが見える
 恐らくだが、先の言葉通り何か新しいバイトを始めようとでも考えているのだろうとシンラは考える
 何せ週三で一回につき数時間行っていバイトが無くなったのだ、時間は中々に空くことになる
 金銭を稼ぐために来た身としては入れようとするのが普通だと言えるだろう。手に持っていたり周囲に散らばっている紙は求人の類だと考えて間違いない

「こちらはどうですか。時間帯的にも大丈夫だと思いますが」
「う〜ん……でも、時給は低くてもこっちの方が良いかなって思うんです。そっちだと年齢の事で断られそうで」
「ああ、それなら大丈夫ですよ。家には口だけは達者な暇人がいますから。契約の際には相手をだまくらかして何とかしてくれます」
「ああ、あいつなら口八丁でなんとかしてくれるぞ。あいつの屁理屈は都市経済を狂わせるレベルだ」
「本当ですかシンラさん?」
「いや、そこで疑いもせず僕の方を向かないでくれ」

 何の迷いもなくレイフォンにこちらを向かれた事にシンラは悲しくなる
 シンラ自身、そんな大げさなことをした覚えなどロクにないというのに心外だ

「話をつけるだけなら出来るけど、」
「出来るんですね」
「騙してだな」

 シンラの言葉にエリスとアルウェイが息を合わせ続けた

「途中で挟まないでくれエリス、アルウェイ。……出来るには出来るけど、その紙を見たところそれは接客的な面もあるみたいじゃないか。客からの印象はどうしようもないから他のにした方が無難じゃないかな」

その意見を受け、仕方がないか、とエリスも頷く

「それもそうですね。なら、こっちにしますか? ですが時間が無理では」
「あ、それなら多分大丈夫です。なんでも、ここの店の人が今いる所の店長と知り合いだとかで、シフトを変えてもらえると思うので」
「それなら大丈夫そうですね。直ぐに申し込みに行くんですか?」
「いえ、もう少し他のも見てからにします。店長にも話さないといけないので」

 手に持ついくつかの紙を見ながら話し合っている姿に仲の良さが窺える。半年以上たち、レイフォンも旅団の人間と馴染み、影響を互いに受けている。だが……
 そう思いながらシンラは視線を床に向ける

「それに、シンラさんに説得してもらうのもいいですけど、他にもっと時給
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