十六話
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」
「当たるかそんなもん」
サーニャの蹴りをひょいと避け、突進してきた彼女の頭をフーリエは抑える
身長や腕の長さの関係上、サーニャの攻撃がフーリエに届かなくなる
ぐぬぬと突進し続けようとする彼女を抑える中、客の一人が立ち上がるのを見てフーリエが抑えを解く
「お客様が会計だ。仕事の邪魔はするなよ」
「むー……」
父親から教えられているため、流石に仕事の邪魔をしない程度に分別が付いている彼女は睨みつつもフーリエへの勢いを止める
それを見て、フーリエはレイフォンの肩をポンとたたく
「じゃ、後は頼んだ」
そう言い、フーリエは会計の方に向かって行った
「……レイフォンは、仕事まだあるの?」
涙目がまだ治らないままのサーニャに聞かれる
すぐ皿が回ってくるだろうと思い、厨房に戻ろうと考えていたレイフォンはそれをに足を止める
正直、涙目の女の子相手の対応などレイフォンには敷居が高く、何を言えばいいのか詰まってしまう
最初に会ってから今まで、サーニャは元気な笑顔ぐらいしか見たことが無いから余計だ
「えーと、一応夕方までは」
「そうなんだ。……また、色々見せて貰えると思ったのに……」
不満そうにむー、とサーニャが頬を膨らます
父親から厨房でのレイフォンの行い((剄技を使った色々))をサーニャは聞かされていたらしい
そのため、実際に宙を飛ぶ皿などを見られた際に色々あったのだ
それが気に入ったらしく、時間があれば見れたのに……とサーニャは落ち込む
娘の事が気になっていたのか、覗いていた店長が口を挟む
「それなら大丈夫だぞサーニャ。レイフォンは今日の飲みに参加するってよ。そん時頼め頼め」
「え、ほんと! 分かった!!」
「え?」
まだ決めていなかったのに参加が決まり、つい反論しそうになる。が、嬉しそうにするサーニャの姿に言葉が止まってしまう
そんなレイフォンを見て、店長は一本指を立てる。そしてレイフォンは、複雑な表情のまま頷いた
レイフォンの臨時バイトが決まった瞬間だった
そんな日々を過ごし、レイフォンはシュナイバルでの日常を過ごしていった
食堂のバイトでは周囲に弄られ、店長には口車に乗せられたりサーニャに色々見せたり
清掃のバイトでは範囲を広くされたり早く掃除したりわざと遅くしたり
シッターのバイトでは子供たちの玩具にされながら仲良く遊んだりお菓子をあげたり
錬金鋼のバイトでは新開発とは無関係なこともされ、遅くまでなってお詫びに調整がタダになったり
バイトとは無関係な所では偶々あったニーナの姉と話をしたり、朝からシンラ組にむりやり拉致されて彼らの行きたいところに遊びに付き添われたり
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