暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第20話 死闘開幕
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 確かに、人間と言うものは頭が良かったからこそ、武器を扱えて……そして強くなっていった。それが相手は亜人種。強度的には人間を遥かに超えている。そいつが武器の使用に長けていたとしたら……侮れないだろう。

「うん」

 再びレイナは強く頷いた。

「そして、取り巻き達は、全員鎧も着ている。だから、その部分は攻撃しても、現行の武器じゃ貫けない。貫けるのは……」
「解ってる。喉もとの一点だけ……でしょ。大丈夫」

 はっきりとレイナは答えた。『大丈夫』と。このレイナと言う名のプレイヤー。そして、キリトと共にいるプレイヤーの2人は大した手練れだった。ここまでの戦闘を見ていた。

 最初こそは確かに素人的な動きだったが、細剣(レイピア)の技だけは目を見張るものがあった。

 2人ともシンクロするように放つ《リニアー》の細剣スキル。互いがそれを高めて必殺とも呼べるシロモノに昇華させたのだ。このリニアーは、序盤で覚える技、一番最初に覚える細剣スキルだ。
 序盤だからこそ、普通ならあるレベルにまで行くと、そこまで通用できるものじゃないのだ。だが、この2人通じると言う事を体現しているのだ。

「ふふ……じゃあ、大丈夫だな」

 リュウキは笑うと前を向いた。

 叫び声は扉を透過してしまう為、そこではディアベルが皆に≪勝とうぜ!≫と叫ぶわけにはいかないから静かに扉に手をかけた。だが、その目は言わずとも皆に伝わっていた。雄弁に語っていた。




『勝とうぜ!』と。





 重く、そして冷たいBOSSの間に通じる扉がゆっくりと左右に分れ、開いていく。

 その先は非常に広い空間が広がっていた。44人、全員が慎重に一歩……一歩と、ある程度進むと空間が一気に明るくなった。

 そして、それが合図だったのだろう。


『グルオオオオオオオオオオ!!!!!!!!』


 奥の玉座で座っていたであろう、第1層フロアBOSS ≪イルファング・ザ・コボルド・ロード≫が その巨体からはありえない跳躍で飛び掛ってきたのだ。

 そして、取り巻きである≪ルインコボルト・センチネル≫を引き連れて。

「全員、攻撃! 開始!!」

『うおおおおおおおおお!!!!』


 ディアベルの声が響き渡る。

 今ここに、己の命をかけた第1層目BOSS戦が開幕した。



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