暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
After days
挿話集
Caliber―器―
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には各種族やギルドなどから勧誘が殺到。SAO時代のユニークスキル騒動にも勝るとも劣らないどんちゃん騒ぎが起こり、正直辟易した。

そんな俺達を驚かせたのはセイン、アルセ、ヴィレッタそしてハンニャの4人のあるギルドへの加入だった。新成アインクラッドのトップギルドにして大半が旧SAOプレイヤーを占める《オラトリオ・オーケストラ》。
何を血迷ったのか、迷宮区攻略から傭兵派遣、はたまたギルド間戦争の調停(鎮圧)まで請け負う、ちょっと薄オレンジなギルドと仲間内で言われている。
某副リーダー曰く「あのセルムブルクの城、いくらすると思ってんの!!」だ、そうだ。そんな理由で荒稼ぎするのもどうかとは思うが、俺達も21層ボスモンスターを倒すまでは《バーサークヒーラー》を中心にちょっと記憶に無いほど真面目に攻略をしたため、新規プレイヤー達の不評を買ってしまった事もある(今さら真面目にやるのも変だが)。

ここはまた後に語ろう。

ともかく、エクスキャリバーを手に入れ、ヨツンヘイムを元の姿に戻し、この突発的な冒険は終わりを告げた訳だ。


―数時間後―


エギルが経営する喫茶店兼バー《Dicey cafe》

エクスキャリバーとミョルニルゲット記念兼忘年会の場所は例のごとくそこを貸し切って行われる事になった。

「悪いな、いつもいつも」
「ったく、忘年会は想定しとけよ。急に言われたってろくなモンがねえぞ」
「まあまあ」

手提げに忍ばせてきた泡盛をゴトンとカウンターに乗っけてエギルを宥める。

「んで?結局、セイン達は来るのか?」
「来るのか、なあ?一応、場所は教えたが……」

何だかんだで初顔合わせになるため、セイン達は一様に難しい顔をしていた。
カウンターに座ってごそごそと作業をするキリトを眺める。店の四隅に設置された固定カメラとタイヤの付いた移動型カメラ。夏から研究していたプローブカメラの試作品だ。

「どうだ?」
「ん、一応いい感じだ。感度良好」
「後は見てくれか」
「それを言うなって……」

中身の(というとかなり語弊があるが)ユイは大して気にしていないようだが、流石に体がこんなゴツイものだと申し訳ない気持ちになる。

『だいじょーぶです、にぃ。こっちでも動くことが出来て嬉しいです!』
「さよか……」

その後、アスナ、クライン、リズ&シリカと集まってきて談笑が始まったとき。


―カラン……


「えっと、ダイジー・カフェってここですか?」

落ち着いた、春風を想起させる声と共に店に入ってきたのは、20歳ばかりの青年。近くにいる者の心を穏やかにしてくれるような、好印象の人物だった。

「いらっしゃい、セイン」
「……レイ?」
「おうよ。面は一緒だから分かるだろ?」
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