After days
挿話集
Caliber―器―
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えよう。
「うーん……」
「どうしたよ、セイン」
「いや、いったいあの2人は何者なんだろう、って思ってね」
「……それは同感」
薄々感ずいてはいたが、ALOでは一般プレイヤーと古参プレイヤーの知識に深淵とも言える深い溝があった。一体、黎明期に何があったと言うのだろうか。
そんなことを考えていると、突如として世界が揺れ始めた。
「う……動いてる。いえ、浮いてる……!」
「キリト、早くエクスキャリバー抜かねえと、アルンがぶっ壊れるぞ!」
「そ、そうだった!」
まあ、あんだけの激闘すれば無理も無いんだが、危うくうっかりアルンを沈めそうになっちまった……。
部屋の奥に階段が生成されると、仲間達は次々と飛び込んでいった。
「……なるほど、そうゆう仕組みだったのか」
ハンニャがポツリと呟き、それに全員が耳を澄ます。
「そもそも神話でもスリュムヘイムの真の主はスリュムじゃない。《スィアチ》だ。んで、確かプレイヤー達にスローター・クエストを依頼してんのは……」
「……全く、憎たらしいわね」
ヴィレッタがムッスリとしながら答えるのに皆がそれぞれ同意した。やがて、広々とした空間に出た。
「あれか……」
かつて、一度だけ見た、究極の剣。荘厳な雰囲気をまとうその剣からは静かな迫力さえ感じた。
エクスキャリバーが突き出る氷の台座を全員で円を作って囲んだ。
キリトが一歩踏み込み、剣を抜こうとする。
が、
「ぬ……お……っ!!」
この中で筋力値が最も高いのは俺か、ハンニャだろう。しかし、彼は手伝う事はせずに静かにそれを見守っている。もちろん、俺もここで手出しをするつもりは毛頭無かった。
代わりに応援をする。
「ほら、気合い入れろ」
それを皮切りに皆が口々に声援を送る。やがて徐々に台座がひび割れ、一瞬の閃光の後、その流麗な長剣がキリトの手に収まった。
次の瞬間、氷の台座の中でエクスキャリバーが刺していた木の根――恐らく世界樹の――が急速に成長し始め部屋の中、いや、壁や床を突き破って伸び始める。
「……!スリュムヘイム全体が崩壊します!パパ、脱出を!」
キリトの頭上のユイが鋭く叫ぶが、降りてきた階段は真っ先に根に潰された。
―――分の悪い賭けだが……
ちゃき、と大太刀を引き抜き、逆手に持ち変える。
「脱出するぞ」
「え、どこに?」
壁のヒビが天井に達してパラパラと小さな瓦礫が降って来る。
「合図したらジャンプ。5秒前、3……2……1……今!!」
飛び上がった11人の足下を掠めるようにして大太刀で床を円環に撫でる。――着地。
そしてその衝撃で……。みしっ。綺麗な円にくり貫かれた床が底無しの穴、《グレート・ボイド
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