十五話
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知られてしまうだろう。そうしたらしたことがバレ、反感を買っていただろう。自分の悪趣味も捨てたもんじゃないな)
黙っていれば済むことをわざわざ公にするつもりなどない。レイフォンがいない今のうちに話を進めておくことが吉だろう
「すみません、話の途中でしたのに。……先も言ったように唆すようなことはしていませんが、関係性が一切ないと否定することは出来ません。感情多感な時期にどのような影響があるか、子供の先達として考えが至らず申し訳ない」
「別に良い。元々はこちらの話だ。関係がそれほどないというのならとやかく言うつもりなどない。行った先は分かっているのだ、手紙を送るなりなんなりするだけの話だ」
遠まわしに考えの甘さを指摘するような言葉が効いたのか、それとも元々大して責めるつもりがなかったのか当主は言葉を収める
「寛大なお心有難うございます。ではもう一つ。一年と言う契約でした彼の教導の件はどうしましょうか。御嬢さんがいなくなった以上、続行は不可能となりましたが」
「……そう言えばあの小僧の身元保証はお前だったな。こちらの都合での打ち切りなのだ、金は規定通りの金額を払う。小僧にもそう伝えておけ」
「分かりました」
その言葉を受け当主は胸元から一枚の紙を取りだし、台の上に置いて立ち上がる
「他に無ければこれで終いとしよう。仕事が立て込んでいるのでな、書類にサインをしたら後ろの彼に渡してくれ。……アルセイフが戻ってきたら、今までのニーナの相手のこと感謝すると言っておいてくれ」
そう言い、アントーク家当主は部屋から出て行った
「すみません、戻りました」
「お帰り。話は終わったよ」
「すみません。その……少し迷っちゃいました」
ばつが悪そうに言うレイフォンにシンラは苦笑する
「この屋敷は広いからね……そう言えば何回も来てるはずだけど、中に入ったりはしてなかったのかい?」
「待ち合わせも実際にするのも外だったので、何回かは入ったことあるんですけどその……良く知らなくて。さっきもニーナさんのお父さんに会って道教えて貰いました。それとニーナさんの事ありがとうって」
「どこに行ってたんだいそれ……まあそれはいいとして、契約の事も話しといたよ。途中だけど規定通りに払うってさ。この書類に君がサインすれば終わりだよ」
「分かりました。その……有難うございます」
感謝の言葉を述べつつレイフォンが書類にサインする
それを受け取ってもう一度確認し、シンラは最初から最後まで立ち続けている男性、恐らく当主の秘書に当たるだろう彼に渡す
「確かに受け取りました」
受け取って一礼する彼に背を向け、シンラはレイフォンの方を向く
「では、私どもはこれで。じゃあ行こうかレイフォン」
「
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