十五話
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人のまだ見ぬ世界へと進んで行く
いずれ見える、物語の始まりの地へと
「話は終わったかい?」
「あ、シンラさん。はい、終わりました。待ってもらってすみません」
「……ああ。まあ、聞きたいことがあったからね」
レイフォンの返事を受け、シンラは曖昧に答える
待ってもらってという言葉に自分たちの存在がばれていたとシンラは知るが、何をしていたのかは気づいていないようでレイフォンの鈍さに有り難く感じてしまう
「トランクを持っていたけど、彼女はどっかに行くのかい?」
「はい。なんでも学園都市とかに行くって言ってました」
レイフォンの答えにシンラは少し考える振りをして聞く
「そうか。となると教導の方は今日までになるね」
「そう言ってました」
「なら、とりあえずアントーク家に行かないといけないね。僕もついて行くから、午後に成ったら行こう」
「教導はもうありませんよ? 何か用でもあるんですか?」
教導の予定がないのになぜ行くのかとばかりに疑問を浮かべるレイフォンに、シンラはニーナと同じような優しい目でレイフォンを見る
「一年契約だったのに途中で終わってしまったんだ。契約金とか今後の事とか、いろいろ話さなきゃダメだろ? 前金は受け取ってるけど、残りはまだなんだからさ」
「……ああ! 確かにそうですね」
その答えに、シンラは思わず優しさ+憐みの視線を一瞬向けてしまう
(社会経験を積むのはいいが、それよりも勉学にいそしんだ方がいいんじゃないだろうか……)
そう思ってしまうが、レイフォンから聞いたグレンダンなら武芸で別になんとかなるのだろうと思い、まあ何とかなるかと結論づける
(ふむ。まあ、暇な時間に色々と街中を連れまわしてみるのもいいか)
「とりあえず午後まで暇なんだ、手に入れた本や映像データとかあるけど見てるかい?」
「あ、お願いします」
「なら多分、エリスが今データ整理をしているだろうから言ってくるいい」
「わかりました!」
そう言い、レイフォンが中に入って行く
それを見て、シンラは軽く伸びをしながら呟いた
「なら、昼飯には力を入れるとするかな」
レイフォンが自分の馬鹿さを悔やむまで後少し
「どうやら、そちらも既に事情を把握しているようだな」
アントーク家の応接間
十分な広さを持ち、大げさにならない程度ながら品の良さを感じさせる装飾が成された家具が置かれる一室
その中にレイフォンとシンラ、そしてアントーク家の当主であるニーナの父親とその後ろに控える初老の男性がいる
レイフォンからシンラへと視線を動かし、応接
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