十五話
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…悪趣味ですねシン」
「そういいながら何もせず、一緒に聞き耳を立てる君が僕は大好きだよ」
「……煩い。もう少し詰めて下さい」
「いやあ、昔を思い出すなぁ。うん」
「今日まで言えなくてすまなかった。前もって告げておくべきだったな」
「あ、はい。ありがとうござ……って、え!? 出て、く……? 学園都市……え、何がどうしたんでそのような、えーとその……」
急に言われた言葉に混乱し、言われた言葉を頭の中で繰り返しながらレイフォンは唸る
「……えーとつまり、シュナイバルから他のレギオスに行くってことですか?」
「ああ、その通りだ」
良く出来ました、とばかりにニーナのレイフォンを見る目は温かい
伊達に半年以上教導を受け、武芸以外でのレイフォンの頭の悪さを知っているニーナではない
もしこれがテストか何かなら、ニーナは思わず花丸をつけていただろう程の目であろう
「……そういえば、どうして時間が違ってもいいんですか?」
「教える私がいなくては何も出来ないだろう?」
「……ああ、確かにそうですね」
うんうんと一人納得するレイフォンは気づかないが、レイフォンを見るニーナの目がさらに温かいものになった
「それにしても急ですね」
「ああ、親に黙って受験したからな。余り周りに知られるわけにいかなかった。親にばれて言い争って、今日も軟禁されていたのを抜け出して此処まで来た」
「……両親と喧嘩してそのまま家出ってことですか?」
「……そうだが、嫌な言い方をするな。まるで聞き分けのない子供の癇癪の様じゃないか。私はそんなことはしな……いや、なんでもない」
微妙に嫌な言い方で言われ不満げに眉を顰めながら否定しようとし、どうしたのかニーナは急に言葉を濁し視線を明後日の方に向けた
そのことに対して不思議に思いながら、一つ疑問が浮かび上がる
「それにしても、どうして他の都市に行くんですか?」
「ずっと前から外を見てみたくてな。今日、それを行動に移せたのはレイフォン、お前の御蔭だ」
「え、僕ですか?」
突然自分の御蔭だと言われ、疑問を浮かべるレイフォンにニーナは嬉しそうに語り始める
「ああ。だからお前には是非私の気持ちを、思いを聞いて欲しい。……勝手な話だが、聞いてくれるかレイフォン?」
その言葉がどうしようもなく嬉しそうで力強く、自分に聞かれているはずなのにどうしてか断ってはいけないような気がした
だから、気が付いたら何も言えないまま首を縦に振ってしまっていた
「私は、外に出たかった」
眼にその力強さを浮かべて感情を表しながらニーナが口を開く
「自律型移動都市(レギオス)に生きる私たちは、一生のほとんど
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