十五話
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たいないからと食べきった自分を褒めたかった
その後になって知ったことだが、シンラは下手というわけではないらしい
ただ味覚の基準が人とは違い、そして“自分基準”の美味しいを作るためあの独特の味になるという話だった
その上都市を回って知った都市特有の料理、それも珍味に当たる様なものを面白がって作るからだと旅団の人が苦々しく語ってくれた
ちなみに、その料理の味付けに唯一大丈夫なのがエリスだとも教えられたりした
「おーいレイフォン、君にお客さんだよ」
「ふぁい? ふぉふへふは?」
「ああ、君だ。アントーク家の御嬢さんが来ている」
「ふぁい。ふぁふりふぁしたー。ふふにひひはふ」
「そうした方がいいと思うよ。何だか知らないけど急いでるみたいだったしね」
「……何故わかるのだシンラ」
食事の歯磨きを止めて口を濯ぎ、レイフォンは外への入口に向かう
今日は午後からのはず、と思いながらも向かうとニーナに良く似た短い髪の女性がが入口すぐそばの外で立っていた
姉妹だろうか。この間街で会った時にニーナが来ていたのと同じコートを着て、何故だか足元にはトランクが置かれている
「……ニーナさんの姉妹ですか?」
「私だ私! 本人だ!! 髪くらいで間違えるな!!」
「おはようございます。どうしたんですかニーナさん。今日は午後からじゃ……あれ? もしかして僕、時間間違えてます!?」
「……おはよう、レイフォン。時間は間違えてない。もっとも、もう必要がなくなるがな」
「はい?」
「少し挨拶がしておきたくて来たんだ。こっちの方に居てくれて助かった」
「挨拶、ですか?」
挨拶をするためにコートを着てトランクを持ってくる
そんな理解できない現状に首をかしげるレイフォンを見て、ニーナが苦笑する
「ああ。今日で最後になるだろうからな。世話になったんだ、別れの挨拶ぐらいしておくべきだと思ってな」
「んん? え……最後?」
まだよく理解できていないレイフォンに対し、ニーナははっきりと告げた
「今日、私はシュナイバルを出て学園都市に行く。お前と会うことももうなくなる。今まで色々と教えてくれてありがとう、レイフォン」
「さて……どうなるかな」
「何してるんですかシン。あれは……レイフォンとニーナ・アントーク?」
「そうだよ。今良い所なんだから静かにしていてくれないかエリス」
「……どういう、状況だか、教えてくれますか?」
「錬金鋼をグリグリ押し付けるのは止めてくれ。……ほら、二か月くらい前に話を聞きに来たことがあったじゃないか。どうやら、その結果を出しに来たみたいだね」
「二か月前……? ああ、あのトランクはそういう…
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