After days
挿話集
劫火を纏いし死神
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シノン、ヴィレッタ、レーヴァテインを弓に変化させたハンニャそしてNPCのフレイヤ。
支援にアスナ。ただし、ヴィレッタは臨機応変に支援にも回っているようだった。
「……っ、まずい!!」
最初のHPケージが消滅し、スリュムが怒りの咆哮をあげる。パターンの変わる前触れだが、スリュムは突然大きく息を吸い込み、大規模な範囲攻撃の予備動作をする。
「みんな、防御だ!!」
瞬時に間に合わないと判断したキリトが全員にそう指示し、防御姿勢をとる。灼焔霊衣のクールタイムが終了していなかった俺はやむなく後方に待避し、再突撃の体勢を整える。
アスナは既に広範囲の回復スペルの詠唱に入っている。それを見て俺は残りの後衛に矢継ぎ早に指示をした。
「シノン、ヴィレッタ。攻撃が終わったら、前衛が建て直すまで時間を稼ぐぞ。俺とハンニャがタゲをとるから、2人は顔面の弱点を狙ってくれ」
「了解」
「わかったわ」
ハンニャもレーヴァテインを通常の両手剣サイズに戻すと、支援スキルで自分と俺のステータスを強化した。
広範囲のブレスは射程距離こそそこまででは無いものの、スリュムの視界内ほぼ全域に効果が及んだ。
氷の彫像と成った前衛7人をスリュムは足のストンプによる衝撃波で吹き飛ばした。
「中々えげつねえな」
ハンニャと左右に散開し、両側面から距離を詰めていく。その間にアスナの高位全体回復スペルがキリト達を癒し、シノンの火矢とヴィレッタの火炎弾がスリュムの喉や鼻にヒットしていく。
スリュムが体の向きを後衛の2人に向けた瞬間、両側面の俺とハンニャが斬りかかった。
「……ッ!!」
両手で大上段に構えた大太刀が鮮烈な赤のライトエフェクトに包まれる。
大太刀単発重攻撃《轟山剣》
腕力を余すところ無く乗せた一撃がスリュムの分厚い毛皮のレギンスを切り裂き、ボロボロにする。
硬直時間を課せられた体はどう頑張っても動かない。しかし、装備品は別である。
何時もマントの裏に隠し持っている小太刀がスルリと落ちて来るのをタイミング良く硬直時間が終わった足で蹴り上げ、左手で鞘から抜き放ってそのまま投擲する。
《投擲》の上位派生スキル《投剣》スキルは装備武器を投げるため、SAOでは使いづらいスキルだった。しかしALOにおいては、『どちらの手に○○を装備する』というシステム上の設定は要らない。
スキルスロットに使用したいスキルをセットすれば言い訳だ。システムアシストによって加速された小太刀はスリュムのもみ上げ辺りに命中し、きりもみしながら落下してくる。
それを鞘でキャッチすると再びマントの裏に隠し、その場を離脱した。
俺がちょこまかやっている間に前衛陣は殆ど建て直し、ハンニャは強烈な攻撃でもう片方のレギンスを
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