After days
挿話集
劫火を纏いし死神
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
土がワシの物となる前祝いに、まずは貴様らから平らげてくれようぞ」
ずしん、と巨人が一歩踏み出し、長大なHPケージが三段視界端に表示される。
「――来るぞ!ユイの指示をよく聞いて、序盤は様子見だ!」
レイドリーダーのキリトが叫び、決戦の火蓋が切られた。
________________________________
霜をまとった拳が深紅の炎の壁とぶつかり、そのスピードが大幅に減速する。
「くっ……」
エクストラ効果を無理矢理破られ、回避に僅かに遅れが生じた。
「旦那、大丈夫か?」
「……一応は、な」
後退したその場所でHPの回復を図るが、
「――ッ、あぶねぇ!!」
咄嗟に横へ跳び凍てつく氷のブレスを回避する。ハンニャと再び合流するのももどかしく、ポーションを飲み干すと、キリト、クライン、セインが固まっている所に拳を降り下ろそうとしているスリュムの足の腱辺りに斬撃を食らわす。
「……っ、はぁ!!」
慣性をそのままに体を捻りながら構え、ソードスキルを発動。
大太刀4連範囲攻撃《螺旋刃》
緑色の旋風と共に腱を4回切り付け、ターゲットを移させた。
「やれやれ、俺も出し惜しみしている場合じゃないな!!」
技後硬直している俺を狙ってスリュムが氷ブレスのモーションをとる。
「「「レイ(君)(さん)!!」」」
後ろから仲間が叫ぶ声が聞こえた。
……俺がそう簡単にやられる訳ないだろ。
―轟ッ!!
熱波が部屋中に吹き荒れ、氷ブレスを吹き飛ばす。
「『焔鎧・弐式、《灼焔霊衣》』」
手に持った大太刀は無く、代わりに深紅の業火が彼の身を包んでいた。それは形は定かではなかったが、羽衣のように揺らめいて氷ブレスの奔流を昇華させていた。
「小癪な!!」
スリュムが怒りの咆哮をあげながら殴りかかるが、それをレイは上に飛び上がって回避すると、腕を伝ってスリュムの眼前に到達した。
「よぉ」
燃え盛る拳を握りしめて目に叩き込む。堪らずスリュムは仰け反って俺は宙に放り出されたが、固い床に軟着陸を決めると、灼焔霊衣を解いた。
「……ふぅ」
『灼焔霊衣』は『焔盾』と違って物理攻撃から身を守ることは出来ないが、魔法攻撃やモンスターの特殊攻撃に対しては絶対の防御力を有し、少し自己強化も出来る。
しかしその反面、発動中はその炎によって少しずつHPが削られ、持続時間も長くはない。
失ったHPを回復させるためにポーションを飲みながら戦況を確認する。
前衛はキリト、リズ、シリカ、リーファ、クライン、セイン、アルセ。
後衛は攻撃に
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ