After days
挿話集
Calibur―聖剣―
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1は氷の床にめり込み、明らかに重量はとんでもない事になっている。
そんな心配に応えるように、アルセが自己強化のスペルを唱えながら巨剣の切っ先に移動する。
そして、一瞬力むと―――、
「たあっ!!」
―バキン!!
「「げぇ……」」
並んだセインとあまり上品ではないうめき声を上げてしまうが、仕方がないだろう。
アルセが刀身に向かって繰り出した90°真上への蹴り上げの威力で20メートルはあろうかという巨剣が持ち上がり、その大きさに相応しい円運動を伴って黒ミノに振り下ろされる。
途中、天井を少し削ったにも関わらず、頂点を過ぎた巨剣は重量+重力+筋力の破壊力を纏い、黒ミノの巨体を切り裂いた。
「グオォォォォォォッ!?」
回復しかけたHPがギュン、と消滅し残り1割りも切った。
(物理耐性が高くないにも関わらず、アレを耐えきったのは流石はボスってか?)
反撃しようとするボスの目に突如氷柱が突き刺さり、一瞬スタンする。
術者はセインだった。基本攻撃力では上回る俺に追撃をさせ、自分はその援護をする。
一瞬の合間にその場に最適な戦術を取れるプレイヤーはALO広しと言えど、そう何人も居まい。
自然と口元が緩み、その顔に不敵な笑みを浮かべる。右手だけで持った大太刀の先端を黒ミノに向け、肩の後ろに引き付ける。
カタナカテゴリ単発重攻撃《崩天突》
プレイヤーメイド最強を誇る剣の切っ先がボスの首を容易く貫通し、とどめを刺した。
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ほぼ同時に戦いを終えたキリト組でキリトが使用した、《左右の手でそれぞれ使う片手剣》における、システム外スキル《剣技連携》がどうのこうので、クラインが騒ぎ、キリトが説明を渋るというどっかで見たような光景が繰り広げられていたが、時間も時間なので次の層へと攻略を進める。
お次のボスは巨大な百足巨人。幸い物理耐性はさほどでは無かったため、全員の大技でフルボッコにし、残すボスは《スリュム》本人という所で判断に迷う―――というより無視できない光景に出くわした。
氷の檻に囚われた美女。肌は色白で長く流れる髪は深いブラウン・ゴールド。体を申し訳程度に覆う不思議な形状の布から垣間見える胸部のボリュームは―――まあ、あえて語らないでおこう。
一言、みんなはまだ(多分)成長するから諦めないように。
「お願い……。私を……ここから、出して……」
(罠だ……)
と、全員が思ったに違いない。無視を決め込もうと歩き出した俺達だがしかし、自称武士道を貫く男――と、書いてまれにアホと読む――、クラインが居合い系ソードスキルで檻を叩き
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