After days
挿話集
Calibur―聖剣―
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す、来たぞ」
「ああ。悪いな、急に」
「大丈夫だよ。どうせ暇だったしね」
「同じく」
「別に……暇じゃないけど」
「素直じゃねぇなぁ……」
セイン、アルセ、ヴィレッタ、ハンニャが答え、初顔合わせだったシノン(ハンニャは除く)と自己紹介を終えた頃、キリト達の準備も終った。
道中キリトがふざけてシノンの尻尾を掴み、シノンの怒りのボルテージを意味もなく上げるという事態があったが、無事にヨツンヘイム直通の螺旋階段、その再深部にたどり着いた。
眼下に広がるのは凍てついた厳寒の世界。
目的地はその天井部に位置する氷の逆さピラミッドだった。
「ところで、レイ」
「ん?」
キリトが何やら心配そうな声色で声を掛けてきた。
「……俺達は『トンキー』に乗っていくが……アイツって7人までしか乗れないぞ?」
「ああ。大丈夫だ。ウチにはものすごいタクシーとその運転手がいる」
「誰が運転手よ!!」
自らの身長以上の魔法杖をレイの頭部に振り降ろそうとしてかわされ、逆に摘ままれて空中でホールド。
「持ち上げんなぁ!!」
「……………(ニヤ)」
「笑うなッ!!」
「……………(頬が痙攣)」
「うがああああっ!!」
女性陣の視線が痛くなってきたところでヴィレッタを開放(なお、アルセは腹を抱えて蹲ってぴくぴく動いていた)、俺をギロリと睨んだヴィレッタは体の向きを変えると、左手を掲げ朗々と呪文を詠唱し始めた。
呪文はそれほど長くはなかった。最後を『レックス』で締めたヴィレッタは掲げた左手を地面に叩きつけた。すると、手の位置から20数メートルの場所に黄色のライトエフェクトに彩られた魔方陣が現れた。
次の瞬間光が弾け、巨大な影がヨツンヘイムに現れた。
「グオオオオオォォォォッ!!」
力強い咆哮でヨツンヘイムを鳴動させるのは全長30メートルの巨躯を誇るヴィレッタの使い魔《レックス》だった。左右の羽を広げれば横の全長は計り知れない。
ほぼ同時に現れたトンキーもかなりデカイが、レックスと比べるとシェパードとチワワだ。
レックスを見たことのないシノンはクールな容貌に似合わず、目を丸くしていた。
「さ、タク……いや、脚は揃ったし、行こう」
氷った空気を砕くために、ヴィレッタに続き、自分もレックスに飛び乗る。
セイン、アルセ、ハンニャと続く間にキリト達もトンキーに乗り終え、一行は空中ダンジョンに向かっていった。
_____________________________________
空中を滑るようにして飛んでいくトンキー。一方、
―バキッ……
「おっと……」
力強く羽ばたく両翼に叩かれた水晶が粉々に砕かれ、あるものは地上に落下し、
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