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少女1人>リリカルマジカル
第三十一話 少年期M
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人は高ランクが多かったように感じる。それにしても繊細そうにみえた飛行魔法が、まさか力技上等の技術だったとは。


「というわけで、まずは飛行魔法を習得することから始めますか」
『そう言いますけど、そんなにすぐできるのですか? ますたーですよ』
「うん、無理だな」
『開き直ったよ』

 肯定したのになんで責められないと駄目なんだ。

 さて、現在俺たちは公共の魔法練習場に来ている。広さも十分で、万が一魔法事故が起こっても、近くにいる管理員さんが対処してくれるのだ。なのでミッドの人たちは、こういう場所を利用して練習するのが一般的だったりする。

「そこなんだけどさ、コーラル。今回はアレをちょっと外してほしいなーって思っているんだ」
『アレ?』
「ほら、前に言っていただろ。安全装置ってやつ」

 俺の言葉にコーラルは無言になる。安全装置は俺のためにつけられた物。本来なら母さんに許可を貰うべきだが、急に外さなければならない理由を聞かれるはずだ。ごまかすにしても、出来れば母さんに嘘をつくようなことはしたくない。なら、コーラルを説得するしかない。

 魔法はイメージが最も大切だ。イメージと魔力があれば、少なくとも魔法を発動させることはできる。なのはさんも最初は大変そうだったけど、中盤ぐらいには自由に空を飛びまわることができていた。

「今回の目的は、無重力空間で活動できるようになるために、空を飛ぶ感覚をつかむことだ。正直に言えば、完璧に習得できなくても空の上でバランスが取れるようになれればミッションクリアなんだ」
『理屈はわかります。しかし……』
「絶対危ないことはしない。コーラルの言うこともちゃんと聞く。だからお願い!」

 俺は手を合わせながら、コーラルに頭を下げた。それをコーラルは静かに光りを発しながら俺を見下ろし、そして小さく嘆息する声が聞こえた。

『……お願いはずるいです。もう、いいですか。絶対僕の言うとおりにしてくださいよ』
「あ、ありがとう」

 俺はコーラルの返事に喜色を浮かべる。断られても仕方がないと思っていたけど、受け入れてくれた。思えば、コーラルってなんだかんだで俺についてきてくれる。仕方がないですね、って感じで。

 だけど、今回みたいなことはこれっきりにしよう。魔法が使えるかもしれない興奮は確かにある。でも癖になったらきっとまずいし、コーラルの優しさに甘えるばかりではダメだ。いつか助長しかねない。コーラルもそこは引き締めてくれるだろうけど。


『いいですか。まずはデバイスを起動させます。起動コードはちゃんと覚えていますね?』
「たぶん!」
『いろんな意味でいい返事ですね!?』

 さて、茶化しはここまでにして俺は目を瞑る。右手にコーラルを掴み、自分の身体の中にあるも
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