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少女1人>リリカルマジカル
第三十一話 少年期M
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ジャケットの案を聞いてみた。彼女も大変興味がある分野だったからか積極的に意見をあげてくれる。アルヴィンは最初からこの人に聞いていたらよかったかもしれない、と心のどこかで思った。


「お、アル坊来ていたのか。何? バリアジャケットの案を考えているだと。そうかそうか」
「いや、もうだいぶ意見は聞けましたから。店主さんの意見は十分です」
「それならそうと早く言えばいいものを。変身魔法のことなら、このちきゅうやに案などいくらでもあるだろうが」
「すいません、話を聞いてください」

 店の奥から湧いて出た店主さん。ちきゅうやを最後に回した理由の張本人ご登場。絶対まともな案が出ないと思うから参加しないで、と心からアルヴィンは思った。たじろぐ友人が面白いのか、いつもからかわれているお返しかエイカはそれをニヤニヤと見つめていた。

「いいじゃねぇか。店主の意見ぐらい聞いてやれよ」
「エイカさん、俺いじめて楽しい?」
「すごく」

 いい返事だった。なるほど、いじるのってちょっと楽しいかもしれない、とエイカは思う。確実に友人の悪影響が原因だった。

「そうだろそうだろ。というわけで、見よこの変身スーツを! 素材バッチリ、通気性もバツグン! 覆面もあるから問題ないぞ!」
「問題ありすぎでしょ! 黒の全身タイツって、なんで敵側の衣装引っ張ってきたんですか!? そこはせめてヒーロー側持ってきてくださいよ!」
「注文が多いやつめ。ならヒーロー側ならこれなんてどうだ。科学忍者隊変身スーツ」
「さっきから全身タイツばっかりなのは嫌がらせですか、こんちくしょう!!」

 エイカが腹抱えてむせていた。常連のお姉さんはのんびりと「大丈夫ー?」とエイカの背中をさすっていた。この状況下でペースを崩さないあたり、さすがはちきゅうや常連客ということだろう。



******



 結局なんだか混沌とした何かで終わってしまった気がする。俺は書き疲れた手首をぶらぶら振りながら、家のソファに身体を沈めた。ちきゅうやのお姉さんとはまた今度話し合いの場を持たせてもらおう。店主さんがいないところで。

「それはそれとして、色はやっぱり黒系がいいよな。俺の魔力光は藍色だったはずだから、青系もちょっと混ぜる感じでもいいかもしれない」

 デザインは俺が考えるより、お姉さんにお願いした方が無難だろう。それならどういう性能にするべきか考えておくべきか。強者さんが言っていた通り、俺には『瞬間転移』があるんだからそれを主軸に決めるのが当然だよな。

 ならもしもの戦闘時などで、転移を使うなら俺はどのように使うだろう。転移があれば、まず相手に近づくのも簡単だ。接近されてもすぐに距離をあけられる。俺は母さんと同じロングレンジタイプの魔導師になるだろう。な
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