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少女1人>リリカルマジカル
第三十一話 少年期M
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元を解放することで、市民は局員を直接見ることができる。ただ守られる遠い存在ではなく、自分たちを守ってくれる身近な存在として。局員達も自分たちが守っている存在を、そして支えられていることを再認識できる。

 民と組織との間にできた『信頼』。管理局ができてから40年。多数の世界に認められるように年月をかけて少しずつ築き上げてきたものなのだろう。この他にも、俺の想像のつかないようなたくさんの努力をしているんだと思う。最後に総司令官が言った言葉がそれを裏付けていた。

『管理局員として必要なものは、不屈の心だ。管理局に来た願いなど人それぞれだろうが、折れない芯ほど強いもんはねぇと儂は思っとる。そのひた向きさがなけりゃ、ここではやっていけないじゃろう』

 そう言って、おじいちゃんは愁いを帯びた表情で笑った。

『そう、負けてはならんのじゃよ……過労に』


「俺、管理局を過小評価していたみたい。管理局退職率1位が過労によるものって何さ。管理局の定年退職率の低さが途中でぶっ倒れる人が続出するからって生々しすぎるだろ」

 次元世界の人たちって変に真面目すぎるよな。おかげで管理局に30年は務められればどんな職でもある程度やっていけると太鼓判が押されているらしい。どんなけ激務なの。どんなけ神経使ってるの。



「お、この建物の中にあるのか」
『さすがにここは警備が敷かれていますね』

 白で統一された建物の奥。俺とコーラルはようやく目的地である『無限書庫』の前に来た。自分よりも数倍以上も高さがある自動ドア。その前にいる警備の人と目があったので、もらった閲覧許可のパスを空中に映し出す。

 目を見開かれたが、たぶん俺みたいな子どもが来たことに驚いたんだろうな。それにしても、随分寂れたというか寂しい場所だ。パスの確認後通してもらった先は、どうやら無限書庫の入口に続くフロアらしい。だけど人気がほとんどなく、居ても隅にある机で本を読んでいる人や、グループで何か話し合っている人たち。カウンターに司書さんらしき人がいるだけだ。

 むしろ人よりも目を引いたのは本の山だ。無造作に並べられた本がいくつも置かれている。何やら話し合いをしているグループの周りには塔のように本が積み重なっている。図書館のように整理された空間とはお世辞にも言えない。どちらかというと、個人営業の古書店のような乱雑ながらも整理されているという感じだろうか。

「無限書庫ってこんなんだっけ……」

 俺が原作で覚えている無限書庫は、ユーノさんが闇の書について調べものをしていた場面のみ。第3期のStrikerSではユーノさんは司書長になっていて、確か無限書庫は身近な感じで描写されていたと思う。少なくともこんな黒魔術研究してそうな雰囲気の場所だったとは思えない。

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