After days
summer
棚機つ女
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」
「お帰り。アスナは何て?」
「『やること無くなっちゃうから、早くしてね!』と。後、これはお土産です」
そう言ってユイは何やらスクリーンショットを取り出し、キリトと俺の前に展開した。
「おおう……」
思わずたじろぐのは被写体であるアスナの衣装だ。
清楚な白の小袖に髪と同色の青色の袴。袴の色が真紅で榊を持たせると絵になるあれ、いわゆる巫女服だった。
種族ごとに袴の色は違うらしく、奥には赤(サラマンダー)や翠(シルフ)、黄色(ケットシー)なども見受けられた。
「俺達は鎧のまんまかい」
「いや、こんな服着たら戦い難いだろ」
「雰囲気の問題だ」
バッサリ言い切った後にため息を吐いて、キリトを睨む。
「な、何だよ?」
「……感想は?」
「は?」
「か・ん・そ・う・は!?」
それから5秒程経ってから慌ててユイに「似合ってるぞ。って伝えといて」と言う。
ユイはやれやれと首を振って再び祭壇の方へ飛んでいった。
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午後10時丁度。
地平線の彼方に赤い点がポツポツと灯り始めた。
「来たぞ!」
上空で偵察をしていたインプのプレイヤーが暗視能力によって即座に正体を看破する。
「アタッカー攻撃開始!」
ユージーン将軍の怒号がフィールドに響き渡り、最外郭のアタッカー達が飛び出す。それからきっちり10秒後、後ろの機織り機がいくつか動き出した。
遠目に見えるのはアタックエフェクトや魔法の炸裂音。プレイヤーのエンドサウンドはまだ聞こえない。事前の予想通り、敵単体の強さはそこまででは無いようだ。
「しかし、数が多いって訳か」
「あの時のガーディアン程じゃ無いけどな」
10分後、前線が安定してきた所でユージーン将軍が前衛の交代を指示した。
少しばかり早いような気がするが、いざと言うときに主力が疲弊していては話にならない。
これを機に俺とキリトは前線に躍り出る。突進の勢いそのまま大太刀を振り上げる。まとめて5体を片付け、密集している所を見つけては飛び込んでいって蹴散らす。
「……ったあ!!」
叩き潰した敵のエンドエフェクトを突っ切るようにし、奥へ奥へと集団を掻き分けていく。
時おり後ろから襲ってくる小虫は気にしない。直前に察知してひらりとかわす。今、俺に見えているのはただ一匹。
開始直後からその場を動いていない、巨大蜘蛛だ。
《Spider the starlight》―星光の蜘蛛
「……げぇ」
名前に反して、ナリは随分とグロテスクだ。いやーな音をたてながらチビ蜘蛛を産み出しているのはあえ
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