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鋼殻のレギオス 三人目の赤ん坊になりま……ゑ?
第一章 グレンダン編
道化師は手の中で踊る
別れは唐突に
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 意識が飛びかけた老生体は、前を向こうとするがその前にシキとレイフォンのアッパーで空に打ち上げられる。その直後、シキは刀をレイフォンに預け、膝を曲げてジャンプをした。
 ジャンプしたシキは、打ち上げられた老生体の頭をキャッチする。
「お前じゃないけど、お前の仲間にされたんだよな、アレ結構痛かったぞ」
 そう言って、シキは背中から衝剄を放つ。
 外力系衝剄の変化、背狼衝(はいろうしょう)と言いたいが少し違う。シキの体は赤く変化した焔に包まれていた。
 シキの剄は暴走すれば、溢れ出し衝剄に自動変換され周囲をふっ飛ばしかねない爆弾となる。しかし、周りに人がおらず敵だけだったら話は変わってくる。
 意図的な暴走により、今のシキは衝剄そのものと行っても過言ではない。さらに化錬変化もされているので威力はとんでもないことになっている。
 物凄いスピードで落ち、体を焼かれている老生体は何かを聞き取った。それがなんなのかわからなかったが、いずれ来るであろう衝撃に、老生体は身体に力を入れてせめてもの防御にした。
 外力系衝剄の化錬変化、背焔衝(はいえんしょう)
 地面に叩きつけた瞬間、右腕に剄を一点集中させて爆破した。
「十倍返しだ」
 土煙であたり一面の視界が悪くなるが、シキは気にせず足で老生体を蹴り飛ばした。
 まるでサッカーボールのように飛ばされた老生体は、何度もバウンドしながら最終的に岩山に当たって止まった。
 シキはそれを見ていない。病院服に燃え移った火を消すのに躍起になっていた。
「あっつ! 熱い! なんで俺、全身にやったんだろ!? 馬鹿じゃねえの?」
「……むしろ、病院服でそんな技する方がバカだよ」
 うるせぇ! と反論するシキにレイフォンは頭を痛めながら持っていた刀を渡す。
「さてはて、これで終わってて欲しいんだが」
「GAYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」
 シキがボヤいていると、岩山からとんでもない音量の声が聞こえ、岩山が崩れ落ちる。
 次の瞬間、翼が崩れた岩山から起き上がり、巨大な体躯を持った汚染獣がいた。
「元気なお子さんですね」
「シキ、違うよ? 子供はコウノトリに運ばれてくれって言ってたよ?」
「お前意外と天然だよな……じゃねーよ!! なんかおっきくなったんだが!?」
 突然のことで驚くシキとレイフォンだったが、恐れてはいない。
「多分、人型じゃ勝てないからいつもの汚染獣っぽくなったんじゃないかな」
「……まぁ、大きくなったつってもたったの二十メルトルくらいか」
 たったと言っているが、人型から竜のような姿に
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