第一章 グレンダン編
道化師は手の中で踊る
別れは唐突に
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程度で気を悪くするとは』
「お前に比べたら、誰もが若いわ!! 大体、お前はいつもそうだな、人が冷静になろうとしてるのに乱して」
『口調が戻ってますよ、ティグリス。……馬鹿ですか?』
「お前もだ、このアホウ。……すまんの、熱くなりすぎたわい」
『ええ、すいませんでした。あまりにもティグリスが不甲斐ないので』
「ちょっと自重しろ!!」
普段のティグリスを見ているものがいたら目を見開いて驚くことだろう。あの厳格なティグリスが声を荒げて、口喧嘩をしているのだ。
さらにデルボネも、いつものように日向ぼっこをしているような声ではなく、感情の篭っていない声で話している。
だが、二人にとってはコレが素である。いつもの態度は年長者として、若者を見守るために取り繕っている一面に過ぎない。まぁ、最近はそっちのほうが話しやすくなってきたのだが、気を抜くとティグリスはこっちの口調になりやすい。
「シキも将来、こんな念威操者を持たんように忠告しないとな」
『無駄ですよ、あなたの教え子って何故か私のような操者に会いやすいんですよ……弄る意味で』
「最悪だ! このババアをつまみ出せ!!」
『そっくりそのまま返しますよ、ジジイ。……まぁ、シキさんもいい念威操者に巡り会いますよ。あの子の周りには強者が集まりやすい』
「出来るなら、最終的にはクララとくっつけたいのぉ」
『いえいえ、既にお見合いのプランは組み上がっていますよ。残念でしたね』
老生体の両足をブチ抜きながら、胴体にも何本かお見舞いしたティグリスは呆れる。
デルボネの悪い癖に、お見合いというものがある。彼女は結婚はお互いを取り持つ存在が必要だと主張して、目をつけた武芸者や念威操者にお見合い相手を探してきてはお見合いをさせるのだ。
何故か、ものすっごい相性が良かったり、家柄的な問題で結婚できない相手などなど。ツッコミどころ満載な相手を選んでくる。そして、今まで何十、いや何百もの結婚を成功させてきた。
『高く買ってますね、シキさんのことを』
「むしろ、あやつくらいしか貰い手がない。本人も満更ではないようだ」
『あらあら、おマセさんですね』
「……あの子は何やらあらぬ趣味を持ちそうだ」
ティグリスは大事な孫娘の将来を案じて、老生体の胴体を打ち抜く。上半身と下半身が別れた老生体は叫び声を上げるが、どうあがいても接近できないし、打たれても回避できないので内心諦めていた。
『いいではありませんか。シキさん、以外に好きそうですし』
「まぁ、シキが女に興味を持たんからなぁ。あやつ、どんだけ自分が好かれているか気づいておらんし」
『不器用なんですよ。だからこそ、クラリーベルさんみたいなタイプがシキさんにはピッタリなのかもしれませんね』
「ほぉ、クララに言ったら喜ぶのう。……あっ、いや、それ
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