閑話 一
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ン・アルセイフより』
「まだなの?」
「もうそろそろですよ。にしても珍しいですね、あなたが行きたいだなんて。何を企んでいるんですか?」
「企んでるって、やっぱそういう認識かー。ま、ま、悪いことしに行くわけじゃないんだからいいじゃない。単純に気になっただけよ。それと名前と役職で呼んじゃ駄目よ。私は品行方正で礼儀正しいあなたの遠い親戚のシノーラなんだから」
「血縁は血縁ですけど……その設定は無理が有り過ぎますよ陛下」
「いやん、私はシノーラよ。呼びたければシノーラちゃんでもいいわよ。次呼び間違えたら吹っ飛ばすから」
「ちゃんって歳で……」
「何か言った?」
「いえ何も」
笑顔のまま視界の隅で握られたグーに気づき、クラリーベルは即座に否定の言葉を口にする。生憎、自分は自殺志願者ではない
あ、私あれ食べたいなーなどと言う声を聞きながら、何度となく歩いた道を進みつつどうしてこうなったのかと疑問に思う
???あんた、あそこ行くんでしょ。暇だし、今日はあたしもついて行こうかな〜
久しぶりにリーリンの所にでも行こうかと思っていた矢先、偶然出会ったアルシェイラに掛けられた一言
そのままなし崩し的に同行しているが、何の気が有って行こうとしているのか
本当に気まぐれなのかもしれないし、何か意味があるのかもしれない。影武者から逃げているだけなのかもしれない。笑顔を浮かべるアルシェイラからその理由を見抜けるほどに自分の眼は肥えていない
(ま、いいでしょう。気にしても何にもなりませんし。流石に初対面の一般人相手に配慮ぐらいするでしょう)
考えるだけ無駄だと断定し、それよりも行って何をしようかと考える。リーリンが作ったお菓子でもあれば僥倖だ
そう思いながら歩き続け、道を曲がった先に見慣れた建物を見つけクラリーベルは口を開いた
「あの建物ですよ、シノーラちゃん」
「うん、分かったわクラリーベルちゃん」
うぇ、とえづいてしまった自分は悪くないと思った
「こんにちは」
「こんにちはー」
「あ、クラリーベル姉ちゃん久しぶりー」
「リーリンなら奥にいるよクララ姉ちゃん」
「久しぶりです。リーリンのお菓子はありますか?」
「あはは、クララ姉ちゃんリーリン姉のお菓子好きだよねー。……そっちの人誰、クララ姉ちゃんの母さん?」
ガシッ!
「私がそんな歳に見えるのかお前は」
「ちょ、ちょ、頭痛い! 離せー!!」
一瞬でアルシェイラに頭を鷲掴みにされた一人が喚き逃れようともがくが、笑顔のまま問う彼女の右手は微塵も揺らぎはしない
「へ……シノーラ、大人気ないですよ。トビエを離して下さい」
「ん〜、そうねー」
そういい、手を離さないままアル
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