閑話 一
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「では、既に“眼”を持つ者が現れているということか?」
「ええ。身の内に茨の棘を有したグレンダンの少年がいることを確認しました。覚醒はまだであろうと、生れ落ちていることは間違いないでしょう」
「では、私はその眼の持ち主の事を確認し、覚醒しているか否か、その者とどれだけのことを理解しているかを調べればいいのだな?」
「ええ。可能ならば棘を刺された少年の事も。本当に久しいあなたとの対話が安らぎに満ちていないことが悲しいですが、頼めますか?」
「了解した、偉大なる母よ。この身は既に憎しみにより敵と戦う力に過ぎない。それに繋がるこの役目、謹んで引き受けよう」
「……そうですか。では、頼みます」
『親愛なるリーリンへ
シンラさんに教えられて手紙の書き方を少し変えたけど、ちゃんと書けてるかな?
今までロクに書いたことがなかったせいか、三度目だけどまだ手紙を書くことになれません。
僕は元気ですが、そっちの皆も元気ですか?
最初は慣れなかったバイトももう慣れてきました。食堂の店長は優しいですし、最近はバイトの時はいつもお昼を作ってくれます。工事現場の監督の大きい声も慣れてきました。他のバイトとかでも皆優しいので大丈夫です。ただ、時々シンラさんが思いつきや好奇心から僕を巻き込むことがあるから、それは止めてほしいかな。
あ、後、前に書いたニーナさんのことだけど、人に教えるのって大変だけど楽しいかなって思い始めました。段々と実力が上がっていくのに役に立っていると思うと嬉しいです。前に僕が教えてもらってた訓練方法とかを教えてるけど、ニーナさんはもう剄息での日常生活に慣れたみたいです。才能があるからなのかどんどん慣れていって、嬉しくなって偶に僕が力を入れすぎてすごく疲れさせてしまうことがあるので気を付けたいです。でも、そういった時も「ふふふ。まだだ、もっとだレイフォン!」とか言ってくれるのでこのままで行こうかなーとか思ってしまいます。
技とかも教えていけたらいいなと思っています。僕が使っている技に色々と興味を持っているみたいなので、出来る限りのことはしたいです。錬金鋼をぶつけ合うごとにニーナさんが少しずつ、強くなっていっているのを感じる毎に嬉しくなる自分に、武芸はやっぱり自分の一部なんだと実感します。ニーナさんみたいに武芸にまっすぐな人を見ていると凄いなと思ってしまいます。
サヴァリスさん達もある意味まっすぐでしたし、今思うとしょっちゅう襲われていたのもいい思い出です。あれだけの間襲われて続けていたので、今の状態に違和感さえ感じています。
会うことがあったら、元気でいると伝えてください。じゃあ、このくらいで
レイフォ
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