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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
プロローグ
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話すとつい長くなってしまうね。今度こそ終わりにしよう』
「ああ、おやすみ」
『私はまだまだ眠れないが、おやすみ……最後にひとつ』

 終わりにすると言っておきながら、ここでさらに続けるあたり、俺が思っている以上に叔母は寂しいと思っているのかもしれない。

『地球には魔法文化はないから大丈夫だと思うが、何かあっても首を突っ込まないでほしい』
「……何かあるのか?」
『いや、これといってないのだが……君に何かあると兄さんや義姉さんに合わせる顔がなくなってしまうからね』
「……俺は子供らしくないんだろ? 自分から危険に突っ込むような真似はしないし、そっちよりも先に死ぬつもりもないさ」
『そうだね。……こういうときの君は本当に子供らしくないよ。私と君が同年代だったら今とは違う好意を抱いてかもしれない』
「子供相手に何言ってんだが……おやすみ」
『ああ、おやすみ』

 電話を切ると、それと同時にテレビの電源が落ちた。視線をテーブルに向けると、ファラがリモコンの上に乗っていた。先ほど俺が寝ると言ったのを聞いていたのだろう。

「別にまだ見てもいいんだが?」
「いいよ。面白いわけでもないし、マスターにはよく食べて寝てもらってすくすく成長してほしいから」
「成長期は早くてもあと2年後くらいと思うんだけどな」

 ファラを手の平の上に乗せながら立ち上がり、部屋の電気を消して寝室へと向かう。彼女とは一緒のベットに寝ているわけではないが、一緒の部屋では寝ている。
 魔法文化のない世界のため、突然襲われる可能性はないに等しいだろうが、万が一ということはある。叔母が人型フレームの資料を狙って襲われるかもしれないと心配し、ファラには様々なシミュレーションが内臓してある。一時期は管理局員に訓練をしてもらおうという話にさえなった。
 叔母は管理局に勤める技術者であるが、戦闘が行えるほど魔力は所持していない。それが過剰な心配の原因だろう。
 戦闘が生じた場合、俺は自分の身は自分で守らなければならない。だから日替わりで色んなシミュレーションを行うのは日課になっている。その成果が発揮される日が来ないのを祈っているが……。

「マスター、外なんか見てどうしたの?」
「……ふとこの日常が続けばいい、と思ってさ」
「……? ……大丈夫、何が起きてもマスターは私が守るから」
「お前、俺が魔力使わなかったら何もできないだろ?」
「もう、良いこと言ってるんだからそういうこと言わない!」
「夜なんだから騒ぐなよ……何があっても、お前は俺が守るさ」
「……マスターってさ、こっちが準備してないときに限ってそういうこと言うよね。女の子からすると、そういうのは反則だよ」
「誰にでも言うつもりはないさ」

 両親を失ってから俺は他人と深く関わることを避
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