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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
プロローグ
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エだったのが大きな理由だろう。
 小学校に上がる前に一度両親と一緒に行ったことがある。母さんの手伝いをしていた舌がそれなりに味が分かるようになっていたからか、出されたお菓子を食べて感想を言うと桃子さんに褒められたことは今でも覚えている。

「あー……今年のクラスメイトには高町なのはって子がいる。桃子さんたちの娘さんと思うんだが……あんまり同情とかされたくないからな」
「子供ってずかずかと踏み込んでくる。マスターは叔母さんに育てられてるわけだから、それを知られると同情されるんじゃないか、みたいな解釈でいいのかな?」
「まあそんな感じだ」

 ふたりが死んで悲しくないかと言われたら悲しい。だが俺にはファラもいるし、親代わりになってくれている叔母だっている。今は仕事の都合で地球から離れてミッドチルダという世界に滞在しており、いつ帰ってくるかは不明だ。
 まあ仕事はできるが家事ができない人なので、昔から家事は俺が全てやっているに等しい。そのため、いなくてもこれといって支障がない。

「……ん?」

 振動音が聞こえたので視線をテーブルに向けると、ケータイが振動していた。画面には叔母の名前が表示されていたため、迷うことなく電話に出る。

「何か用?」
『いや、これといって用はないよ。君の声が聞きたくなってね』

 電話越しに聞こえる声は、どことなくぼんやりとしている。聞いた人間は眠たいのかと思うだろうが、俺の叔母はいつも目の下に隈を作っているほど仕事熱心なので普段どおりだと言える。

「そっちに行ってから毎日それだな」
『冷たいことを言わないでくれ。君と一緒に生活するようになってから、ひとりでいるのを寂しいと思うようになってしまったんだ。声くらい聞きたいと思うのは普通じゃないか』
「俺は別に寂しいとは思ってないけど。これといって問題もないし」
『……環境上仕方がないと思うが、もう少し君には子供らしくなってもらいたいものだな』
「年齢上はあと10年くらいは子供だよ」
『そういうことを言うのが子供らしくないと言っているんだよ』

 他愛もない会話を10分ほど続けていると、ほんのわずかにだが眠気が来た。のんびりとした口調で話す叔母が原因かもしれない。
 叔母は仕事の合間を縫って電話をしているため、これ以上の長電話になるとあちらの人たちにも迷惑をかける恐れがある。

「そろそろ眠くなってきたから寝るよ」
『そうか……学校に遅刻されても困るし、今日はこのへんにしておくとしよう』
「そっちに起こされた記憶は今のところないんだけどな」
『私の個人的願望としては起こしたいのだがね。君はしっかりし過ぎているから、ことごとく私の願望を打ち砕いているよ』
「一般的には良いことじゃないか」
『だから私のと付けただろう……君と
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